神戸市は4月19日、神戸海洋博物館(神戸市中央区波止場町)の屋外展示物として神戸メリケンパークに展示している復元帆船「サンタ・マリア号」の解体工事を5月7日以降に実施すると発表した。
コロンブスのアメリカ大陸到達500年を記念して、1992年にバルセロナのビューデス造船所で復元建造された同船。神戸市は「海運や造船における貴重な財産として保存・活用し、開示思想の普及と青少年の教育の場とする」ことを目的にサンタ・マリア号協会より譲り受け、神戸ハーバーランドや神戸メリケンパークで展示していたが、経年により船体の腐食や劣化が進み、1996年と2004年に大規模補修を実施したが損傷の顕著化が見られ解体を決めた。
解体後は「当時のプロジェクトの偉業を後世に伝え、当初の目的である海事思想の普及などを引き続き図るため」(神戸市)に今年中に船体の部材などをモニュメントとして神戸メリケンパーク内に設置する予定だという。
これまで管理運営をしてきた神戸港振興協会の森田さんは「当初サンタ・マリア号はハーバーランドの海上に保存していたが、阪神・淡路大震災の影響を受け、引き潮の際に船底が海底に当たって傾いた。それからは海上ではなく陸上展示していた」と話す。「経年劣化により修繕もしてきたが、今回は予算の折り合いがつかず、安全第一で解体が決まった。今後はサンタ・マリア号の歴史を残せるようモニュメントの設置に力を注ぎたい」とも。