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JICA関西食堂が震災・防災特別メニュー提供-「被災地を忘れない」

JICA関西の押川貴子さん(左)と松浦鈴香さん(右)

JICA関西の押川貴子さん(左)と松浦鈴香さん(右)

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 HAT神戸にあるJICA関西(神戸市中央区脇浜海岸通1、TEL 078-261-0341)1階にあるカフェテリア方式の食堂「JICA関西食堂」で現在、震災・防災特別メニュー「被災地を忘れない」が提供されている。

震災・防災特別メニュー「被災地を忘れない」

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 JICA関西は、開発途上国の国づくりの中核となる人材を育成する目的で、アフリカをはじめ、中南米やアジア各国から年間約1500人の技術者や行政官などを、各国政府からの要請に基づき研修員として受け入れている。同施設には、事務室のほかに研修施設と研修員のための宿泊施設があり、同食堂は研修員も利用するため、イスラム教徒向けのハラル食やベジタリアン向けの料理、日替わりの和食なども用意。全ての料理にはフリードリンク(コーヒー・紅茶・お茶など)が付く。

 店舗面積は200平方メートル。テーブル席108席とテラス席44席を用意。完全禁煙でガラス張りの明るい店内は茶色と白色を基調とし、家族連れでも入りやすいように明るく開放感ある内装になっている。

 食べることをきっかけに「一般市民の方にも各国の文化などを知っていただきたい」と、2007年7月からは月替わりでエスニック料理を提供。食堂の入り口には対象国の紹介コーナーを設置している。これまでに、なじみのあるベトナム、メキシコのほか、ケニア、ニジェール、トーゴ共和国、ウガンダ、ブルガリア、ナミビア、モロッコなどの料理を提供。あまり食べる機会のないメニューの月には、遠方から食べに来る人もいるという。

 今年の1月17日は阪神・淡路大震災から20年。今月のエスニック料理は、災害を風化させないようにとこれまで大規模な災害に見舞われた国の料理を一つのプレートにして提供する。メニューは、フィリピン台風「ハイエン」(2013年11月8日)=保存食にもなるフィリピンの定番煮込み料理「アドボ(鶏肉の酢じょうゆ煮)」、チリ地震(2010年2月27日)=チリの定番家庭料理「カスエラ(野菜のポトフ)」、インドネシア・スマトラ島沖地震、インド洋津波(2004年12月26日)=インドネシアの定番サラダ「ガドガドサラダ(ピーナツソースサラダ)」、阪神・淡路大震災=神戸長田の名物「そば飯」、トルコ・イズミット地震(1999年8月17日)=中東のデザート「カバク・タトゥルス(かぼちゃのデザート)」。価格は720円。

 エスニック料理担当の押川貴子さん(JICA関西)は「街中にない国の料理を希望される方がとても多く、できるだけ現地の味に近いものを食べたいという声をいただく。料理の味を知っている駐在員や研修員に食べてもらって味を再現しつつ、日本人の口に合うように工夫している」と話す。「今月は阪神・淡路大震災から20年ということもあり、過去にあった災害について震災・防災特別メニューを食べることでもう一度思い返していただきたい」とも。

 営業時間は、昼=11時30分~14時、夜=17時30分~21時。

 同施設広報展示室では現在、「阪神・淡路大震災の教訓・経験を海外にどう広めていったか」をテーマに「世界にひろがる日本のBOSAI」展と題し、JICA関西が実施している防災に関する事業なども紹介。今月17日には、元ラグビー日本代表主将でNPO法人ヒーローズ会長の林敏之さんと元ガンバ大阪の主将でJリーグのアジア・アンバサダーの木場昌雄さんによる阪神・淡路大震災20年特別トークイベント(13時15分~14時15分)、森山未來さんと佐藤江梨子さん主演の映画「その街のこども 劇場版」の鑑賞会(14時30分~)を行う。いずれも入場無料。

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