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神戸コミュニティーFM局「FM MOOV」がサイマル放送対応-海外でも聴取可能に

エフエムムーヴ編成局長の長谷川保さん

エフエムムーヴ編成局長の長谷川保さん

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 神戸コミュニティーFM局「FM MOOV KOBE(エフエムムーヴ)」(神戸市中央区元町通3)が2月1日、番組をインターネットストリーミング配信するサイマル放送を開始する。これで神戸市内に2局あるコミュニティー放送局すべてがサイマル放送対応となる。

番組生放送の様子

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 同局は、阪神・淡路大震災の約2年後となる1997年6月に「仕事の疲れを癒やすミュージックステーション」として開局。現在、周波数76.1メガヘルツで神戸市中央区と須磨区、長田区、兵庫区、灘区、東灘区の一部に放送エリアを展開し、同地域の生活情報番組などを制作・放送している。

 放送内容は、基本的に自社制作番組と外部製作番組で編成。同局からは多くのDJが大手放送局に巣立ち「ラジオDJの登竜門」とも呼ばれており、技術的な面だけでなく「感謝の気持ちを持つ」「博愛の心で見る」「正義に基づいて判断する」という信念の下、人間性を磨くことにも力を注いできたという。

 編成局長の長谷川保さんは「神戸は神戸大空襲、阪神・淡路大震災と100年の間に2回もガレキの中から立ち上がった街。生きていることに感謝し、命を燃やして働いている人がたくさんいる。そんな街で放送できるのはDJにとってもスタッフにとても幸せなこと。開局から18年目、震災から20年を迎え、『神戸という街がDJを育てた』と感じるようになった」と振り返る。

 今回、リスナーやスポンサーから「電波が悪い」「インターネットでも聴きたい」という声が多く、サイマル放送への参入を決定した。期待は大きいが、経費のことを考えると不安も大きいという。一方で電波に対する思い入れもあり、「チープな受信機で目に見えない電波をキャッチし聞こえてくる音楽や強力なメッセージは、科学的な根拠はないが空の上の人たちにも届いているような気がする。インターネットにも同じような力があるのか、それ以上の力があるのか、10年後にどう感じるのか楽しみ」と話す。

 長谷川さんは「これまでに神戸を愛するたくさんの方に支えられて放送を続けてきた。当局の放送が神戸の街づくりに少しでも貢献することが大切だと考えている。自分の利益よりも助け合いの精神を優先し、港町らしく異なる文化を受け入れる寛容の心を持つ、神戸式がいつか世界から注目されればこんなに嬉しいことはない。小さな放送局なので小さなことしかできない。金メダルをとったスター選手よりも、廃部のピンチを乗り越えて出場した1回戦負けの選手たちに大きな声でエールを送りたい。それが神戸式の一歩につながると信じている」と力を込める。

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