兵庫県内4エリアで9月1日から、バスが乗り放題になる社会実験「バス旅ひょうご2016キャンペーン」が始まる。主催は兵庫県バス協会(神戸市中央区下山手通4、TEL 078-391-0543)。
県内でバスを運行する事業者らでつくる同協会。兵庫県の協力も得て今年4月から県西部の神姫バス(姫路市)と北部の全但バス(豊岡市)を中心に協議を重ね、「但馬・奥播磨」「西播磨」「丹波篠山」の3エリアで路線バスが乗り放題になる「フリーきっぷ」事業を企画した。
7月には、淡路島への高速バスを運行する本四海峡バス(神戸市中央区)も参画。「北淡路」を加えることでキャンペーン対象エリアを4つに増やしスタートを切る。
バス乗り放題企画は兵庫県内では今回が初めて。一般路線バスのみならず高速路線バスや自治体が運行するコミュニティーバスが利用できるのも特長。同協会の中澤専務理事は「こうした取り組みは全国でも珍しいのでは」と話す。
同協会によると、県内の路線バスは利用者が最盛期の40%にまで減少するなど厳しい状況といい、とりわけ県域の多くを占める中山間地では深刻で、路線の廃止やコミュニティーバスへの移管が相次いでいるという。路線の維持には地元需要を掘り起しや、地元外からの旅行者呼び込みが欠かせないという。
一方、「旅行者が求める、運行時刻、路線系統図、観光案内などの情報は不足気味」とも。バス事業者が自前のホームページで提供する情報にも格差が見られるという。
分かりやすさを求めて同キャンペーンでは今回、ホームページも新設した。乗車券の利用で周遊できる「お薦めルート」「お薦めスポット」を提案することで、旅行者目線での情報提供を行う
今後は、県内全域のバスが1枚で乗り放題になる企画乗車券の設定などを目指し、キャンペーンで得た結果を反映させながら取り組みを続けて行く予定という。
「フリーきっぷ」の購入方法などはホームページで確認できる。11月30日まで。