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元町映画館でセクハラ問題扱った映画「ある職場」 監督・主演のアフタートークも

映画「ある職場」場面画像 ©BIG RIVER FILMS

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 セクシュアルハラスメント問題を扱った映画「ある職場」の上映が2月18日、元町商店街4丁目のミニシアター「元町映画館」(神戸市中央区元町通4、TEL 078-366-2636)で始まる。

映画監督の舩橋淳さん

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 監督はベルリン国際映画祭でワールドプレミアとして上映された「フタバから遠く離れて」などのドキュメンタリー映画制作を手がける映画監督の舩橋淳さん。主演は、国際映画祭でさまざまな賞を受けた映画「飢えたライオン」(2018年、緒方貴臣監督)で俳優デビューした大阪出身の平井早紀さんが務める。

 兵庫県初上映となる映画「ある職場」は、実在したセクシュアルハラスメント事件に基づき、後日談として創作したフィクション映画。舩橋さんによると、当初はドキュメンタリー映画化を考えていたが、実在の人間を映すことで個人名や職場が特定される恐れから困難と判断。改めてフィクションとして再構成したという。

 シナリオはなく、舞台設定だけ与えられた俳優たちが、即興に近い演技を行っているのが同作の見どころの一つ。「言いよどみや、リアルな会話のぎこちなさが、実際その場に立ち会っているような感覚になる」と舩橋さん。

 舩橋さんは「僕は映画作家として時代の無意識を描き出したいと考えている。ずっと気になり続けていたこの国のジェンダー不平等の問題に向き合ってみようと思い撮りあげたのが『ある職場』。この作品は、今の社会がいかに未成熟かを描きだしている。人権意識の希薄な人間が寄り集まり、正しいことと間違っていることの線を引くことができない時、混乱は続くしかない。人間関係は悪化の一途をたどり、誹謗(ひぼう)中傷の二次被害はさまざまな善意と悪意に翻弄(ほんろう)され広がり続ける。差別を自覚していない加害者の悪意、穏便にもみ消そうとする上司の保守意識、互いを疑う同僚たちの闇、傷ついた被害者女性の悲哀、心の奥底に降りてゆくような精神の映画にしたいと考え、モノクロームの色調を選んだ。人間の弱さと愚かさが露呈した大混乱の後、本当に大切なものとはなにか?と問いかける映画になってほしいと願っている」と話す。

 18日・19日は上映後に、監督の舩橋さん、主演の平井さんが登壇。司会は中村紀彦さん(映像、アピチャッポン・ウィーラセタクン研究)が務める。トークショーのほか、質疑応答の時間も設ける。

 上映時間は、18日・19日=18時40分~、20日~24日=19時~(135分)。料金は、一般=1,700円、学生=1,000円、60歳以上=1,200円。2月24日まで。

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