神戸海洋博物館・カワサキワールド(神戸市中央区波止場町2)で3月19日・20日、鉄道イベント「鉄道模型走行会」が開催され、親子連れら来場者約3,500人が訪れた。同イベントは2007年5月に初めて開催され、今回で9回目。
当日は、川崎重工鉄道研究同好会メンバーによる鉄道模型(N、HO、Oゲージ)計約800両のデモ運転と、「冬から春へ」をテーマに同会メンバーが撮影した鉄道写真の展示が行われた。
メーン会場では、線路総距離約400メートルの大型レイアウトに設置されたジオラマの中をNゲージ模型が走行。同会の平井彰一さんは「来場者に長時間楽しんでいただけるよう、走行している車両は15分ごとに入れ替えている。曲線線路については実際のカーブに近くなるように縮尺換算し手作りした。カーブで車両が内側に傾くような工夫も施した」と話す。
館内エントランスホールでは、外国の珍しい鉄道車両のHOゲージ模型が総距離150メートル以上の線路を走行。ドイツのプロペラ推進高速鉄道レール・ツェッペリン(シーネン・ツェッペリン)の模型について、同会の中川正矢さんは「市販の模型はモーターで車輪を動かして進むようになっているが、車体を軽くするなどして実物と同様にプロペラで進むよう改造した」と明かす。
中でも注目を集めたのは、暗くした室内で夜景シーンの演出としてライトを付けた模型車両が走る「Nゲージ夜間走行」会場。よりリアルにするため、ビルなどにライトを仕込んだジオラマも備えた。今年3月の九州新幹線の全線開業用として製造された車両の模型も夜の街を走行した。
そのほか、1周約30メートルのコースでNゲージ車両の持ち込み運転ができるコーナーや鉄道模型の体験運転など家族で楽しめる参加型イベントも用意された。
川崎重工・広報担当の小林鉄平さんは「このイベントを通して子どもたちが物づくりに興味を持ち、未来を支える技術者を目指すきっかけになってくれれば」と期待を寄せる。