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神戸学校に周防正行監督・草刈民代さん-「ダンシング・チャップリン」語る

会場からの質問に笑顔で答える周防正行監督と草刈民代さん

会場からの質問に笑顔で答える周防正行監督と草刈民代さん

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 フェリシモ(神戸市中央区浪花町)主催の「神戸学校」が4月30日、映画監督・周防正行さんと女優・草刈民代さんを迎えて神戸朝日ホール(浪花町)で開催された。テーマは「美しいものを残したい~撮る者、撮られる者として伝えたいこと~」。

15年ぶりの共作「ダンシング・チャップリン」について語る周防正行監督と草刈民代さん

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 周防正行さんは、1989年、本木雅弘さん主演の「ファンシイダンス」で一般映画監督デビュー。代表作は日本アカデミー賞最優秀作品賞の「シコふんじゃった。」、日本アカデミー賞13部門独占受賞の「Shall We ダンス?」、「それでもボクはやってない」など。 

 草刈民代さんは8歳でバレエを始め、16歳から「牧阿佐美バレエ団」に参加し18歳で主役デビュー。日本を代表するプリマ・バレリーナとして国内外の舞台で活躍した。1996年に「Shall We ダンス?」で映画初出演し、この作品をきっかけに周防監督と結婚。2009年にバレエダンサーを現役引退し、女優に転向。ドラマ、映画、バラエティーなど多方面で活躍している。

 会場に草刈さんが凛とした姿で登場すると観客からはため息が漏れた。講演では現在公開中の周防監督初のバレエ映画「ダンシング・チャップリン」の予告編を上映。その後、バレエを映像化するまでのいきさつやバレエの持つ美しさを映像化するまでの苦労、見どころなどが周防監督から紹介された。

 「Shall We ダンス?」以来、15年ぶりのタッグとなった同作品。モチーフとなっているのは、フランスの巨匠振付師ローラン・プティさん(87)がチャップリンの名作映画を題材に振り付けた同名舞台。主演に同舞台を初演から踊り続けてきたイタリア出身のルイジ・ボニーノさん(61)と同作品でバレリーナとしてラストダンスになる草刈さんを迎え、周防監督が映画化した。

 バレエになじみのない人にも楽しんでもらえるようにと2部構成になっている同作品。映画作りの舞台裏を記録した「アプローチ」を第1幕に、同舞台全20演目を13演目に絞り映画のために再構成・演出・撮影した踊りだけの「バレエ」を第2幕とした。1幕と2幕の間には草刈さんの提案で休憩を入れた。「セリフのある芝居的な1幕と音楽と動きだけの2幕のバレエを見る時では脳の回路は異なる。休憩を挟むことで劇場のバレエを鑑賞する時と同じような期待感を持って客席に座っていただけるはず」と草刈さん。

 続いて行われた質疑応答で「美しいものに触れ、人生を輝かせるためにはどうすればいいか」と問われ、周防さんは「本当の自分、自分のやりたいことは何かを考えた時、個性的であるというのはあまのじゃくであることだと思っていた。しかし個性は隠そうとしても自然に出てしまうもの。人に必要とされることの喜びを感じて初めてそれが自分に向いていた仕事だと悟ることができるのでは」と話した。「普段、高校生には『一生懸命に何でもやる事。一歩踏ん張って続けていると思わぬ道が開ける』と言っている」とも。

 草刈さんは「やろうと決めたことを成し遂げようとする時に逃げないこと。『近道で楽な方』と『苦労する方』を選択する時、あえて『苦労する方』を選んだ方が後々良い方向に向かう…ということを経験から学んだ」と話し講演を結んだ。

 フェリシモが主催する「神戸学校」は1995年の阪神淡路大震災をきっかけにスタートし、今回で168回目を数えた。参加料は全額、「あしなが育英会」神戸レインボーハウスを通じて東日本大震災の遺児の奨学金・心のケア活動のために活用される。

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