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神戸に露・老舗チョコレート専門店「バラノフ」 100年ぶりにブランド復活

チョコレートブランド「Baranoff(バラノフ)」代表でショコラティエのバラノフ・キリルさん(中央)

チョコレートブランド「Baranoff(バラノフ)」代表でショコラティエのバラノフ・キリルさん(中央)

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 神戸・栄町通に12月20日、チョコレート専門店「Chocolatier Baranoff(ショコラティエ バラノフ)」(神戸市中央区栄町通3、TEL 078-599-9733)がオープンし、ロシアの老舗チョコレートブランドが約100年ぶりに日本で復活した。

店内のショーケース

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 同ブランドを立ち上げたのはニコライ・バラノフさん。1882年、ロシアのサンクトペテルスブルグに生まれ、幼いころからチョコレートが大好きだったという。1907年、「みんなに愛されるチョコレートを作りたい」とチョコレート工場を設立。ロシアのプレミアムチョコレートの先駆けの一人として大きな成果を残した。その後、ロシアのチョコレート産業は第一次世界大戦とロシア革命によって終止符を打たれ、ニコライ・バラノフさんの死後、その功績は忘れ去られることになる。

 それから100年後、ニコライ・バラノフさんのひ孫である同店代表でショコラティエのバラノフ・キリルさんが神戸に移住。もともと貿易関係の仕事に従事していたバラノフ・キリルさんだったが、曽祖父のチョコレートを復活することができないかと常に考え、何種類ものロシアのチョコレートブランドを知り合いなど100人以上に食べてもらい、自ら作ったアンケートで日本人の味覚に合うチョコレートについての調査を続けていたという。

 10年以上かけて仕入れ先などのコネクション作りや製菓の勉強などに取り組み、昨年秋に現代の日本の技術と素材を使ったチョコレートブランド「Baranoff」が新たに完成。ようやく先代の遺志を引き継ぐことができた。曽祖父の時代はミルクやビターなどノーマルな種類しかなかったが、現在はバリエーションを増やし、ユズ、桜、ワサビなど日本らしい味も展開している。

 店舗面積は10坪。内装はロシア在住の母にも相談し、ワインレッドの壁やスワロフスキーをあしらった照明など「女性が好むエレガントな雰囲気」に仕上げた。店内の商品をすぐに食べられるようカフェも併設する。

 商品は「PLATE CHOCOLATE(ミルク、ビター、ホワイト、ゆず、さくら、バラ、ワインぶどう、わさび)」(1,300円)、「NAMA CHOCOLATE(ミルク)」(1,020円)、「SWEAT COLLECTION」(1個200円)、「TRUFFLE(ドンペリ、ウオツカ、ヘネシー、ラム、フランボワーズ、グランマルニエ、コーヒーリキュール、柚子(ゆず)リキュール、抹茶リキュール、日本酒)」(1個420円~)など。

 カフェメニューはホットチョコレート(620円)、ブレンド、エスプレッソ、紅茶、コカコーラ、アイスコーヒー(以上480円)、カプチーノ、カフェラテ(以上530円)など。アルコールも用意する。

 バラノフ・キリルさんは「ロシア人はとても甘いチョコレートを好むが、調査を続けていくと日本人はもう少し甘さを抑えたものを好むということが分かった。もともとは私も甘すぎるくらいのチョコレートが好きだったが今では日本人好みの味をおいしいと感じるようになった」と話す。「この店を立ち上げるまでとても長かった。これからもお客さまのニーズに応えていけるよう努力していく」とも。

 営業時間は11時~21時(バレンタインなどのイベント期間は深夜まで延長)。

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