特集

「神戸のパン店の中の人」 神戸市民に愛されるパン店巡り ~おうちぱん R. BAKERY~

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 パンの街・神戸。香り高いパンが並ぶ店が至るところにあるこの街には、まだ知られていない店がたくさんあります。この特集では、そうした人気のベーカリーを取り上げ、神戸の新しい楽しみ方を提案します。普段は厨房にいるパン職人が語る、ここでしか聞けない話もあります。


■自称「多分神戸で一番小さなパン屋さん」

 元町駅から山側に向かって、坂を上って程なくすると、「おうちぱん R. BAKERY」が現れる。オリジナルキャラクター「Rちゃん」の看板が目印。自称「多分神戸で一番小さなパン屋さん」と名乗るほど小さな店の中には、愛情を込めて作られたかわいらしい小さなパンが並んでいる。

外観写真 
「Rちゃん」の看板が目印

■大病を患った夫が食べられるパンを作り始めて

 パン店を始める前に趣味で発酵食に夢中になっていた店主の泉さん。泉さんは天然の素材で作られる発酵食品が体に良いことを実感していた。そんな矢先、夫が大病を患い、それまで以上に健康に気を付けるようになった。食べ物にも意識を向け、自家製発酵の天然酵母と小麦粉(全粒粉)を使った体に優しいパンを夫のために作り始めた。これが、パン店を始めるきっかけになった。実際、健康に気遣う常連客も多く、パンを食べたいがグルテンを控えたい人などが同店のパンを選んでいるという。

 今も発酵に対する愛情は変わらず、酵母が成長していく際の「パチパチ」という発酵の音を聞くことがパン作り中の癒やしタイムだという。

 店主の泉さん
店主の泉理恵さん

■16回の引っ越しを経て神戸で開業。神戸の利用客の特徴

 夫の仕事の関係で関西・関東含めて16回も引っ越しをした泉さん。これまで数多くの引っ越しを経て、ここ神戸の地にも夫と共にたどり着いた。神戸に店を構える前から関西各地でイベント出店していたが、神戸の利用客には独特の特徴があるという。一言で言うと「サラッとしている」。決して冷たくはないが、過度に踏み込んでくるわけでもなく、程よい距離感で店の人と接するのが神戸の利用客のスタイル。自分でパンを作る客が他の地域に比べて多いのも特徴で、神戸の人々のパンに対するこだわりは一段と強いと感じるという。

■地産地消にこだわったパン

 「素材にこだわる」という同店では、できるだけ神戸で作られた材料を使って商品を作る。店で扱うほとんどの商品に地元の豆腐店の豆腐を使い、「食べると優しい甘さが広がる」という。米粉は神戸市西区の農家から直接仕入れているミルキークイーンを使い、「時間がたっても、モチモチとした食感が比較的長く続く」という。米粉以外にも、ディンケル小麦という他の小麦に比べて小麦アレルギー反応が出にくいものや国産の「春よ恋」なども使う。

 同店「一押し」の商品は「豆乳ミニ食パン」と「米粉100%プレーンパン」。豆乳ミニ食パンは、販売するとすぐに売り切れてしまうほどの人気だという。米粉100%プレーンパンは、余計なものを入れずに神戸産の米粉100%で作っているので「乳児の離乳食にもぴったり」とも。

 パンの写真
「素材にこだわる」という店内のパン


◆おうちぱん R. BAKERY
兵庫県神戸市中央区中山手通3-2-2
TEL 078-386-6658
営業時間 木曜~金曜 12時30分~17時30分(時期によって変更あり)
https://www.instagram.com/ouchipan_rbakery/


 

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