■バルについて

－バルの売りとは？

お客さまとの距離が近いこと。小さい店なので、来店いただいたお客さまとはできるだけ一言だけでも話すようにしている。「これおすすめです」「料理いかがでしたか？」など、気軽にスタッフみんなが話しかけることでリピーターの獲得につながれば。お客さまがスタッフの名前を覚えてくださることもあり、会話を楽しんでいただけるのがバルの良さ。

－バルが増えていることについて

さまざまなバルがオープンしているので、ベンチマークのためにほかの店に行くこともある。扱う料理やドリンクは多岐にわたり、それぞれにいいところとそうでないところも見える。はやりだけにとらわれて「バル」という言葉だけが先行し、乱立するのはよくないのでは、と感じることもある。

－接客の仕方が変わる？

1人でいらっしゃるお客さまが多いのもバルならでは。1人でいらっしゃる方はスタッフとコミュニケーションを多くとっていただける方が多い。私だけではなく、ほかのスタッフからも話しかけ、会話を楽しんでいただけるような雰囲気づくりを行っている。

－神戸・三宮エリアへの出店

沖縄出身なので、初めはすごく都会だとびっくりした。働いてみると人も多く楽しい街だと感じた。神戸の方はほかの地域の方と違い、飲み会が終わった後に「夜カフェ」を楽しむ方が多いので、今後は当店でも対応していきたいと現在思案中。

■「沖縄バル Delphinus」について

－沖縄料理とバルスタイル

料理やドリンクには沖縄テイストを取り入れ、「バルらしく」を意識している。店内の装飾や造りは居酒屋よりも気軽に来られるような空間づくりを重視した。三宮にも多い沖縄料理屋さんとはまた一味違う空間を演出している。

－他店との違い

「沖縄色」を前面に出した店舗であるということ。沖縄×バルというのはオープン当時ほかに無く、沖縄料理はバルスタイルにしやすいことも売りになった。初めてのスタイルだからこそ、いろんなことを考え、ドリンクにハイビスカスをあしらったり、「沖縄パスタ」として沖縄そばの麺にイタリアンのソースを絡めたり工夫しているので、メニューも楽しんでいただきたい。

－どんな利用客が多い？

男性6割、女性4割くらいで、女性は20～30代のOLさんが多い。男性は飲むことを目的に、女性は食べることを目的にいらっしゃる方が多い。沖縄料理は脂っこいイメージがあるとよく言われるが、沖縄料理を基本にバルスタイルにアレンジしているのも好評。小皿で提供する「沖縄タパス」（380円～）や、生地から手作りした「沖縄ピッツァ」（各780円）も人気。

－店作りで工夫していること

仕事をする上で、運営企業と店舗は家族だと思っている。当店が家だとして、私たちが自分の家にお客さまをお招きしているような雰囲気を大切にしている。私たちが気を使ってもてなすのではなく、嫌なことがあっても安心できる、明日も頑張ろうと思える家のような店にしたい。フッと気を抜いていただける場所を提供できれば。

■今後について

－古謝店長の今後

1月に運営企業が行っている年に一度の表彰式があった。本気でみんなが頑張っている大会で、沖縄から出てきたばかりの内定者のころから見ていたが、同じことを経験してみて感動した。仕事をする上で、本気で泣いたり怒ったりすることなんてないと思っていた。何歳になっても仕事に対して泣いたり怒ったりしながら人間らしく強く生きていきたい。感情は本物、人間味あふれる生き方をしたい。

－「沖縄バル Delphinus」の今後

もっと女性のお客さまを増やしていきたい。南国を意識した空間を今より分かりやすく打ち出していきたい。ホッとするような雰囲気で、ギュウギュウ詰めになっていてもみんなが楽しく話しているような空間が理想。

2月1日から14日まではバレンタインイベントを実施し、「チョコレートカクテル」「フォンダンショコラ」「チョコレートケーキ」などを限定提供するので、ぜひお越しいただければ。

■インタビューを終えて

同店を運営するワールド・ワンに新卒入社後、同社最速の4カ月で店長になったという古謝店長。24歳ながら、常に店や利用客と真摯（しんし）に向き合い、「一生懸命やる分、すぐ泣くし、すぐ怒るんです。愚痴も多い（笑）」と話してくれた。インタビューを通して、心から店づくりを楽しんでいるのが伝わってくる。

バルスタイルの売りは「利用客との距離が近いこと」だと話してくれた古謝店長。三宮かいわいで開催する街コンにも参加し、利用客どうしの距離も縮めようと奮闘している。バレンタインイベントや、思案中だという「夜カフェ」にも期待したい。