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神戸元町「花森書林」で「トンカ書店」創業者の歩みたどる展覧会

「神戸元町の古本屋 花森書林」現店主の頓花慎太郎さんと在りし日の森本恵さん

「神戸元町の古本屋 花森書林」現店主の頓花慎太郎さんと在りし日の森本恵さん

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 企画展「トンカ書店×花森書林 -はじまりは2005年-」が現在、「神戸元町の古本屋 花森書林(はなもりしょりん)」(神戸市中央区元町通3、TEL 078-333-4720)で開催されている。

「花森書林」オープン当初の頓花慎太郎さんと森本恵さん

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 「花森書林」店主だった森本恵さんは5月28日、闘病の末43歳で亡くなった。その後、同店はしばらく休業していたが、7月17日から森本さんの弟の頓花(とんか)慎太郎さんが店主として営業を再開している。

 「書籍に関する仕事に就いていた」という森本さんは2005(平成17)年12月、「『ザックバラン』を合言葉に老若男女さまざまな人が行き交う大人の駄菓子屋のような店をやりたい」と、トアウエストの雑居ビルに「ザックバランな古本屋・トンカ書店」を出店した。

 新旧問わず幅広いジャンルの古本と雑貨小物などが並ぶ店内には、昭和30年代のコミックソングなどが流れていた。店名は、本好きの森本さんの旧姓・頓花(とんか)から名付けたという。

 店内では、イラストや写真の展示、ライブ、ワークショップなどのイベントも行い、森本さんのライフワークにもなっていた元図書館員による絵本講座では、作家を1人ずつ取り上げ、生涯と作品を時系列に紹介。1冊の絵本がどのような背景をもって生まれたのかなど、読み聞かせをすることで、絵本の魅力をあらためて感じる機会なども設けてきた。

 生前、森本さんは「本を通じてたくさんの方と出会ってきた」と話していた。

 2018(平成30)年12月、建物の老朽化のため「トンカ書店」を閉店。2019(平成31)年2月に店名「花森書林」として移転オープンし、弟と共に再スタートを切った。

 今月21日まで開催する「ふりかえり」をテーマとした展覧会は、親交のあった作家の作品、森本さんの18年の歩みをたどる品々を展示する。

 頓花さんは「姉が病気であることは『誰にも心配をかけたくない』という本人の希望で誰にも伝えていなかった。闘病しながらも普段通りに仕事を一緒に続けていたので、お客さまや近所の方々へ姉が亡くなったことの報告は葬儀後になってしまった。報告後は、多くの方から励ましや暖かい言葉をもらい、店を再開するにあたって、感謝の意味を込めた展示をしようと企画した。店を引き継ぐにあたって今回の展示が花森書林の新たな第一歩になるとも感じている。営業再開と同時に展示をおこない、おかげさまで多くの方に来店いただき、私はもちろん姉からも皆さんに、これまでのお礼を伝える場になったのではないかと思っている。たぶん姉も店にのぞきにきているのでは」と話す。

 開催時間は13時~19時(展覧会最終日は17時まで)。火曜・水曜定休。8月21日まで。

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