神戸のシビックプライドについて考えるイベント「BE KOBE解体新書」が1月25日、「アンカー神戸」(神戸市中央区加納町4)で開催された。主催は35歳以下の若者で構成される「コネクトKOBEコモンズ」。
「BE KOBE」は阪神・淡路大震災から20年たった2015(平成27)年に神戸のシビックプライドとして誕生し、2017(平成29)年にメリケンパーク再整備の一環としてシビックプライドに使うアルファベット6文字のモニュメントが設置されたことで広く知られるようになった。一方でコネクトKOBEコモンズによると、同シビックプライドに「神戸の魅力は、山より、海より、人でした。」から始まるステートメントがあることは神戸市民にあまり知られていないという。同イベントは、誕生から10年がたった「BE KOBE」を改めて考えたいという思いから企画した。
当日は「BE KOBEプロジェクト」の立ち上げに携わった松下麻理さん(当時神戸市広報官)と「BE KOBE」シンボルマークのデザインに携わった「デザイン・クリエイティブセンター神戸(KIITO)」のスタッフだった坂本友里恵さんをゲストに迎えたトークセッションを開催。「BE KOBE」というシビックプライド・メッセージが誕生した経緯について、松下さんは「神戸の人は神戸がとても好きだが、好きなポイントはバラバラ。それを具現化したかった。当時は市長が変わったタイミングだったので『今ならできる』と思った」と振り返る。「今では『BE KOBEの母』と呼ばれることもあるが、自分は誕生の場に立ち会った『助産師』のような存在。それぞれの思いで『BE KOBE』を自由に使い倒してもらえればうれしい」とも。坂本さんは「最初にデザインを見た際は物足りなさを感じたが、10年間使われてきたのは本当の力のあるデザインだったからと今だから思う」と話す。
トークセッションの後には、参加者が「私にとってのBE KOBE」を考えるグループワークを行った。グループワークの発表では、BE KOBEは「心の中でそっと背中を押してくれるもの」という声や「傷ついていた自分を救ってくれた神戸の『人』そのもの」といった声も聞かれた。
コネクトKOBEコモンズ代表の井上小矢香(さやか)さんは「BE KOBEが『好き』『嫌い』などさまざまな意見があると思うが、今日のイベントを誰かと話したり考えたりするきっかけにしてもらえれば」と話す。「今後のコネクトKOBEコモンズの活動も、若い人たちがやりたいことを実現するために活用してほしい」とも。