神戸・三宮東門街のはずれで60年間営業を続けてきた老舗「末国製麺所」(神戸市中央区中山手通1、TEL 078-331-5076)が1月31日、閉店する。
2代目となる店主は79歳の末国富勇(とみお)さん。現在、73歳と76歳の弟と兄弟3人で店を営んでいる。同店の製品「台湾そば」は、市内で多くの老舗台湾料理店が使用するほか、大阪、京都、広島の店舗にも卸している。同製品は小売りもしており、今年初め、店頭に閉店の告知が張り出されると、ミクシィやツイッターなどのネット上でも閉店を惜しむ声が多く見受けられるようになった。
末国さんは戦争中、両親と広島・尾道へ疎開。戦後、父親の故郷である神戸で商売をするために戻り、家族で営業を始めた。末国さんは「昔はこの辺りに市場があり、その一部がこの店だった。近所には台湾の人がたくさん住んでおり、台湾独特の平たいそばを作ってほしいと頼まれた。それがきっかけで当店のそばができた。最初は『平たいそば』と呼んでいたが、あまり良い響きじゃないので『台湾そば』と名付けた」と明かす。
同店の製品「台湾そば」は、穂波産業・元町工場(神戸市中央区元町通6、TEL 078-371-1701)に製法が継承され、引き続き提供していく。
営業時間は6時~16時30分。日曜・祝日定休。