プレスリリース

世界初!アンモニアから変換した水素を利用した水素バーナ対応型アスファルトプラントの開発に着手

リリース発行企業:日工株式会社

情報提供:

日工株式会社(本社:兵庫県明石市、代表取締役社長:辻 勝 証券コード:6306以下、「日工」)は、世界初*?となる、アンモニアから変換した水素を利用した、水素バーナ対応型アスファルトプラントの開発(以下、「本開発」)に着手しました。本開発は燃焼特性上の課題を伴うアンモニアを水素と窒素の混合ガスにオンサイトで変換することでバーナの燃料として利用し、アスファルトプラントへの実用を目指すものです。
高い貯蔵性と搬送性を持つアンモニアの特性と、水素の持つクリーンな燃焼特性を融合させ、アスファルトプラントでの次世代燃料の活用を牽引します。

開発初期の取り組みとして、アンモニアから生成された水素と窒素の混合ガスを使用した社内燃焼試験を2024年2月に実施しました。その結果、500kwの水素バーナでの専焼が可能であることを確認しました。また、燃焼時の排ガスに含まれるNOxにおいてもプラントの規制値をクリアする値を確認し、実用化に向けた確かな一歩を踏み出しました。


500kw水素バーナ

(参考)アスファルトプラント


アンモニアから生成された水素と窒素の混合ガス燃焼火炎

加熱・乾燥工程において、重油を燃料として使用する場合の装置構成

*1:2025年2月日工調べ。「アンモニアから変換した水素を利用した水素バーナ対応型アスファルトプラント」として


【取組の背景】
 日工株式会社は2050年カーボンニュートラルの実現を目指しております。
国内シェア約80%を占めるアスファルトプラントから排出されるCO2は、日本国内のCO2総排出量の約0.1%(年間115万トン)を占めており*?、その削減が急務となっています。
また、2030年までに温室効果ガスを46%削減*?することが求められ、現在国内では火力発電所を中心としてCO2を排出しないアンモニアを燃料として使用するための準備が進んでおり、2030年以降には一般にアンモニアの入手が可能になると考えられています。

*2:AS合材協会集計値によると2023年度のアスファルトプラントからのCO2排出量は1,147,951 t-CO2/Y (約115万t)
*3:日本は、2021年10月に閣議決定した「地球温暖化対策計画」において、2030年度の温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すこと、さらに50%の高みに向けて挑戦を続けることを表明。

 このような背景のもと、日工は、CO2排出の主な要因となっているバーナの燃料転換について技術開発を行っており、2022年には大阪大学大学院と共同でアンモニアを燃料としたバーナを開発、2023年には東京ガス株式会社と水素専焼バーナを開発いたしました。
国内初!アンモニア混焼バーナ開発を推進
世界初!アスファルトプラント用水素専焼バーナの開発

これらの過程を経て、両燃料それぞれの特性が明らかになりました。

●アンモニアの特性
 アンモニアは貯蔵性や搬送性に優れる一方、燃焼速度が遅いため燃焼炉が大型化しやすいほか、燃料中に窒素が入っているため、燃料由来のフューエルNOx*?*?の発生を抑えるための燃焼技術と高価な排ガス処理設備を必要とします。特に直接燃焼では、燃焼室の大型化が課題となり、アスファルトプラントへの実装が困難と判断しました。

加熱・乾燥工程において、アンモニアを燃料として使用する場合の装置構成

*4:NOx:化石燃料の燃焼時に発生する窒素酸化物の総称で、大気中の汚染物質の一種。大気汚染などの環境問題の原因となるため、NOxの削減は環境課題であるとされている。
*5:フューエルNOx:NOxの一部で、特に燃料由来のものに焦点を当てている。

●水素の特性
 水素は燃焼速度が速いため、局所的な熱負荷が高くなり、サーマルNOXの発生が多くなることが知られています。日工はバーナ内部のノズルと周辺の部品を最適化することで低NOX化に成功しています。
しかし、液体のまま運搬するには-253℃の極低温を維持する必要があり、それに関わる運搬と貯蔵の両方において高額な費用が必要となるため、アスファルトプラントへの実装が困難と判断しました。

そこで、これらの特性を活かし、アスファルトプラントへの実装を実現するため、本開発に着手いたしました。

■アンモニアから変換した水素を利用した水素バーナ対応型アスファルトプラント概要
 アンモニアから水素にオンサイト変換することで低NOX、高ターンダウン*?の水素バーナの活用が可能になります。アンモニアの特性である高い貯蔵性と、水素の特性である高い燃焼性を両立させ、付帯設備を最小限に抑えることでアスファルトプラントへの実装を可能にし、次世代エネルギーの利用を実現させるものとなります。

加熱・乾燥工程において、アンモニアから変換した水素を燃料として使用する場合の装置構成

*6:燃料流量の制御範囲が大きいこと。混焼対応が容易である。

■今後の展開
日工株式会社は、2025年3月に前田道路株式会社と共同で、開発にむけた実証実験を実施します。この実験を通じて、システムの実用性や効果を検証し、さらなる技術向上を図ります。

さらに、2027年までにアスファルトプラントへの実装を予定しており、業界全体への普及を目指します。

■日工株式会社 会社概要
 1919年、世界的商社であった鈴木商店関係者により創業。 スコップなどの工具製作からはじまり、今日は日本のインフラを支えるプラント機械メーカーとして事業展開を行っています。 アスファルトプラントの国内シェアは約80%に上り、空港などの巨大インフラから生活道路まで皆様のまちづくりのお手伝いをしています。

会社名 :日工株式会社
代表者名:辻 勝(つじ まさる)
URL  :https://www.nikko-net.co.jp/
所在地 :〒674-8585 兵庫県明石市大久保町江井島1013-1
TEL  :078-947-3131(代)

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