神戸・三宮で1979（昭和54）年に創業した老舗かつ丼店「かつ丼 吉兵衛（よしべい）」（本店＝神戸市中央区三宮町2）が2020年10月1日からオンラインデリバリーサービス限定店舗を出店し、Uber Eatsや出前館などに対応するサービスを提供している。

• 「かつ丼 吉兵衛」の歴史
• 「かつ丼 吉兵衛」のこだわり
• 神戸市民に愛されるカツ丼店
• コロナ禍のデリバリー需要で新業態立ち上げ
• デリバリーメニュー
• 兵庫県圏内デリバリー拠点＆注文方法

「かつ丼 吉兵衛」の歴史

　創業者は神戸市東灘区青木出身の上林勉さん。中学卒業と同時に料理の世界に進み、主に日本料理の修業に励んだ。露天商として鮮魚店を営んだ時代もあり、出入りしていた卸売市場でのつながりからセンタープラザ西館地下1階（旧・公設三宮市場）の南筋に現在の店の前身となる天丼専門店の開業を決めた。

　「天麩羅（てんぷら）にちなんだ屋号にしたい」とてんぷらについて勉強していた勉さんは、書物「料理全集日本割烹学校辻調理師学校校長辻徳光著昭和四十三年四月廿日」の記述「テンプラリといった当時から寛永頃天麩羅といって魚介を油で焼いたものが出来後日本橋の吉兵衛という者が精製して特に天麩羅を専業するに至ったといわれます」から、天ぷら誕生の原点でもある吉兵衛を知り、1979（昭和54）年8月に「天丼吉兵衛」として出店。書物にふりがなが無かったため「キチベイ」「ヨシベイ」か分からず、優しい感じがする読み「よしべい」を選んだという。

　勉さんは一般的にそば屋のサイドメニューだったカツ丼にも着目し、1979（昭和54）年11月27日、当時では珍しかったカツ丼店をセンタープラザ西館地下1階（旧・公設三宮市場）の北筋に「かつ丼 吉兵衛」として創業。創業時は1坪弱の店内にカウンター6席というこぢんまりとした店から始まった。その後、1988（昭和63）年に天丼専門店「天丼吉兵衛」は従業員へ譲渡した。

　勉さんの作るカツ丼が食べたいと訪れるリピーター客も多く、学生からは「ひげのおっちゃん」と親しまれた。

　現在、勉さんは引退し、次男・上林守さんが父親の意思を引き継ぎ経営。長年個人経営を行ってきたが、2010（平成22）年4月に株式会社吉兵衛を設立、守さんが社長に就任した。

「かつ丼 吉兵衛」のこだわり

　看板メニューは、創業時から提供されている肩ロースを使ったカツ丼。種豚づくりをはじめ、生産環境、飼料、流通など全てにこだわって作り出した豚肉は、天然素材をベースに安全で一定した配合を守った飼料で育て肉本来の特性とうま味を最大限に引き出した。「一人でも多くの方に活力を届けたい」という思いから「神戸活丼」と銘打つ。

　カツ丼に合う国産米、あっさり仕上げた門外不出の天然だし、だしと卵を絡めてもサクサク感が残るパン粉、フレッシュなパームフルーツとベジタブル（キャノーラとコーン）を使い抗酸化機能を持つといわれる成分「トコトリエノール」を含んだ油などを使い、飽きのこない味に仕上げた。看板メニューの「玉子とじかつ丼」は定番材料でもある玉ネギを使っていないのも特徴。

神戸市民に愛されるカツ丼店

　手軽に食べることができ、サラリーマンをはじめ、子どもから高齢者まで幅広い客層が支持。昼食、夕食として幅広いシーンで気軽に利用できるのも人気の理由。

　今でも創業者・勉さんの人気は根強く、ひげがトレードマークのキャラクターはLINEスタンプにもなっている。

　コロナ禍以前の本店は連日行列ができるほどの人気で、テレビ・ラジオ・雑誌にも度々登場。11月10日（「いい丼」の日）に「丼を通じた地域活性化」などを目的に行っている「全国丼グランプリ」では4年連続「かつ丼部門」で金賞を受賞している。

コロナ禍のデリバリー需要で新業態立ち上げ

　「かつ丼で活力を」を合言葉に、兵庫・大阪を中心とした実店舗9店を展開する同店。コロナ禍をきっかけに始めたデリバリー営業が多くの客から好評を得ている。

　デリバリーはウィズコロナ時代に求められている営業形態の一つだと感じ、2020年10月1日、Uber Eatsや出前館などに対応する宅配専門の新業態・オンラインデリバリーサービス限定店舗を立ち上げた。

　現在は、東京都渋谷区恵比寿・品川区大森、神奈川県相模原市、北海道札幌市、兵庫県伊丹市・明石市・神戸市須磨区（板宿）、京都市東山区（祇園）・中京区（四条烏丸）・中京区（二条城付近）を拠点としたオンラインデリバリーサービス限定店舗を展開する。

オンラインデリバリーメニュー

「玉子とじかつ丼」（1,080円）

創業当時と同じ肩ロースを使った吉兵衛元祖の味。門外不出のだしで煮込んだカツ丼は、飽きのこないあっさり味。玉ネギを使っていないシンプルな味わい。かつ丼吉兵衛の元祖玉子とじかつ丼。

「韓辛味噌マヨかつ丼」（1,200円）

創業当時と同じ、濃厚で肉肉しい味の肩ロースを使用。甘辛いコチュジャンソースとマヨネーズがクセになる一品。温泉卵を絡めればさらに濃厚に。がっつり食べたい時は温泉卵を追加し、ご飯とカツそれぞれにたっぷり絡めるのもお勧め。

「ソースかつ丼」（1,140円）

創業当時と同じ、濃厚で肉肉しい味の肩ロースを使用。キャベツの上にサクサクのトンカツをのせ、神戸長田の地元ソースをたっぷりと。温泉卵を絡めてさらに濃厚に食べるのがお勧め。

「カレーかつ丼」（1,270円）

吉兵衛のサクサクなとんかつに合うように作られたオリジナルカレー。創業当時と同じ、濃厚で肉肉しい味の肩ロースを使用。スパイシーな辛さが食欲をそそる。

トンカツ単品（1枚＝580円、3枚＝1,680円）

深いコクと甘み・うま味が詰まった厳選豚肉を使用。創業当時から変わらない、肉肉しく濃厚でかみ応えのある肩ロース。

配送エリア
各サイトで確認（基本は店舗より半径約3キロ圏内エリア）。オンラインデリバリーサービス限定店舗は、イートイン店舗とメニュー・価格が異なる。配達員不足により、営業時間内でも注文できない場合もある。

オンラインデリバリーサービス限定店舗　兵庫県圏内配達拠点の紹介