神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で11月18日、企画展「陶勝会作品展」が始まった。
同展では、瀬戸、常滑、信楽、備前、越前とともに日本の六古窯(ろっこよう)のひとつに数えられる丹波焼きの作品を展示する。出展は丹波・立杭に窯を持つ「陶勝窯(とうかつがま)」の市野勝磯さんとそこで学ぶ生徒約50人で、つぼや食器、ランプシェードなど約100点を展示する。
土を採取することから始まる作業は「土もみ」「成形」「素焼き」「本焼き」などさまざまな工程を経て仕上げられる。同会の陶芸教室は月1回の開催のため、仕上がるまでに長いもので半年かかった作品もあるという。
丹波焼の歴史は古く、その発祥は平安時代末期から鎌倉時代の初めといわれ約800年の歴史を持つ。丹波焼の魅力を市野さんは「丹波焼の元となる伝統のある土は鉄分を多く含むため焼き上がりが茶色っぽい。その色合いは素朴で重厚感がある」と話す。現在焼き釜はガス窯が一般的になっているが、丹波焼の特徴は「丹波登り窯」と呼ばれる窯に薪を入れて焼くことにあるという。それについては、「薪を使う方が土の味がよく出る。土と火は自然、自然を支配することはできないので、うまくコントロールすることにずっと挑戦し続けている。でも窯を開けるときは楽しみや期待感とともに不安も大きい」とも。
開催前日に会場レイアウトを考えたという市野さんは「100点の作品を並べるのは非常に神経を使う作業だった。それぞれが生きてくる作品の『居場所』を探し、どの作品をどこに配置するかで悩んだ。今はこの空間もひとつの作品だと思える」と明かした。「1~2年目の初心者の方からベテランまで、それぞれが個性のある作品を出展している。来場された方には手焼きのあたたかさを感じていただければ」とも。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月30日まで。