三宮センター街のフラワーロード側出入り口付近(神戸市中央区加納町5)で8月27日、「津波避難情報板(鳥瞰図)」の序幕セレモニーが開催された。
神戸市は、南海トラフ巨大地震や津波からの安全で迅速な避難を促すために、観光や買い物、ビジネスなどで神戸を訪れる来街者の多い都心部における情報提供、啓発を行っている。その一環で浸水想定区域や津波避難行動などの情報を掲載した看板を来街者の多い駅周辺の3カ所に設置、三ノ宮駅周辺の看板設置場所でセレモニーを行った。
除幕には鳥瞰図絵師の青山大介さんや、プロジェクトメンバーが参加。看板は鳥瞰図のほか、避難ガイドや津波避難に関する情報サイト「ココクル?」の案内、南海トラフ巨大地震津波浸水想定図も。
青山さんの看板作品「みなと神戸バーズアイマップ」は、高さ2.7メートル、幅2.3メートル、奥行き0.2メートルで材質はアルミ板。神戸市中央区の南側を中心に東はフラワーロード、西は神戸駅付近までを描いた。ほかの2カ所は元町駅周辺(三宮町3)と神戸駅周辺(東川崎町1)に設置した。「2008年の春に着手し、3年半がかりで2011年秋に世に送り出したもの。最新の状態にするために、ヘリから撮影し、路地を歩き回って完成させた」と青山さん。
神戸市危機管理室の三木敦史計画担当課長は「東日本大震災の後、マグニチュード9を超える地震が発生した場合の神戸の浸水状況を兵庫県が発表した。神戸の安心がおもてなしの一つとなると考えて、広く周知していただき、混乱のない避難を誘導できれば」と話す。
2歳の長男をベビーカーに乗せ、三宮センター街を訪れていた大阪市内在住の女性は「子連れだと素早く避難できない。土地勘のないところだとなおさら。看板の場所や意味をもっとアピールすれば、他府県民にも心強いのでは」と期待を寄せる。