神戸で「セプテンバーコンサート」-平和願いジャズやスチールパン演奏

スチールパンオーケストラの「ファンタスティックス」

スチールパンオーケストラの「ファンタスティックス」

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 フェリシモの本社のある神戸朝日ビル(神戸市中央区浪花町)1階ピロティで9月11日夜、「セプテンバーコンサート in KOBE 2009」が開催された。

「ハナミズキ」など4曲を披露した「HUMOLABA」

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 セプテンバーコンサートは2001年アメリカで起きた同時多発テロ事件をきっかけに、人々が平和への思いを音楽に託して集まり、追悼と未来へ向かい合う勇気を共にするためのコンサートとしてその翌年からニューヨークで始まった。以降アメリカ中を音楽であふれさせようと、街角や公園、図書館、教会、レストランやカフェなど、さまざまな会場で開催されている。

 同イベントは、同社がコンサートの「自由」「平等」「誰でも参加できる」という趣旨に賛同し、2003年より開催しているもの。今回で7回目。全プログラムが入場無料で、出演ミュージシャンもノーギャラで参加。当日は仕事帰りのサラリーマンやOLを中心に100人以上が集まった。

 参加したアーティストは5組。女性5人で構成されるアカペラグループの「HUMOLABA」は歌手の一青窈(ひととよう)さんが同時多発テロ事件に心を揺さぶられて書いたという「ハナミズキ」など4曲を披露。ほかにも似顔絵画家の佐々木一右衛さん率いるジャズバンド「カワニシジュンとジャンギャバン」、MBSアナウンサー・上田たかゆきさん率いる即興演劇集団「関西カモフラージュドパーティ」、男女2人組みの「cocotowa」が参加。

 ラストを飾ったのはドラム缶からできるスチールパンオーケストラ「ファンタスティックス」。23人で構成するオーケストラの演奏は迫力十分で、半野外の会場にスチールパン独特の和音が響き渡った。全員が足でリズムをとりながら演奏する姿が印象的で、ギャラリーからも手拍子が起こり、ギャラリー用に用意されたいすから立ち上がり体でリズムをとる姿も見られた。

 「ファンタスティックス」が演奏した「しあわせ運べるように」は、作詞作曲を手がけた臼井真さんが「阪神・淡路大震災で変わり果てた神戸の復興のために自分ができることは、音楽で表現することしかない」と、震災から約2週間で創り上げたもの。神戸では12月に開催されるルミナリエのテーマ曲で、小学校などでも歌われる曲のためか会場では曲に合わせて口ずさむギャラリーも。

 同イベントに参加した、同時多発テロの起きた2001年高校生だったという女性は「当時は大きな衝撃を受けて、怖くて夜も眠れなかったのに、時が経つと忘れてしまうのが悲しい。今日は当時を振り返るいい機会になった」と話す。会場の近くに勤める男性は「スチールパンの演奏が素晴らしかった。テロを忘れないためにも、これからもずっと続けてほしい」と話していた。

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