棋士の谷川浩司さん、「人の行かない道」テーマに神戸で講演

講演を行う棋士・谷川浩司さん

講演を行う棋士・谷川浩司さん

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 フェリシモ(神戸市中央区浪花町)主催の「神戸学校」が12月12日、棋士の谷川浩司さんを迎えてエスパスフェリシモホール(須磨区)で開催された。テーマは「人の行かない道を創る~将棋から学んだこと~」。

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 講演で棋士になったきっかけを「子どものころは兄とよくけんかをして、どうすればけんかしないようになるのかを考えた父が将棋盤と駒を買ってきたのが始まり」と明かした谷川さん。5歳で将棋を覚え、プロになって35年がたつ現在は小・中学生への指導に力を入れているという。「将棋は礼に始まって、礼に終わるもの。礼儀作法も同時に教えている。自分の将棋に責任を持ち、『負けました』とちゃんと言えるように指導することが大切」と話す。

 続く質疑応答で、就職活動中の大学生から「将棋と出会っていなかったらどんな生き方をしているか」を問われた谷川さんは「5歳からやっているから、ほかのことをしている自分が想像できない。小学校の文集などでも『棋士になりたい』ではなく、『棋士になる』と書いていたくらい」と答えた。谷川さんは「回答にならないかもしれないが」と前置きして、「この職業について一番良かったことは自分が好きなことをずっと続けていられる点。厳しく大変な状況を乗り越えると次の道も見えてくるのでは。会社も組織、入社してすぐに自分のやりたいことだけできるわけではないので、成長の過程でやりたいことを見つけて」とアドバイスした。

 谷川さんは1983年6月、加藤一二三名人を4勝2敗で破り、史上最年少の21歳で名人位を獲得した棋士。1997年6月には羽生義治名人を4勝2敗で破り、2度目の復位、通算5期で十七世名人の資格を得た。

 フェリシモが主催する「神戸学校」は1995年の阪神淡路大震災をきっかけにスタートし、今回で152回目を数えた。参加料は全額、「あしなが育英会」の神戸レインボーハウス運営支援に活用される。

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