ドキュメンタリードラマ映画「劇場版 神戸 ~都市が囁(ささや)く夢~」の上映会が1月16日・17日、「パルシネマしんこうえん」(神戸市兵庫区新開地1)で行われた。
文化庁支援事業「ARTS for the future!」の一環として製作された同映画。日本に初めて映画が上陸した場所が神戸といわれていることから、数々の貴重な写真と映像を用いて「神戸と映画の150年」を「歴史フィクション映画」の形にまとめた。同作の短編版(18分)は、「元町映画館」10周年を記念して製作されたオムニバス映画「きょう、映画館に行かない?」の一編として2021年に公開。長編版(40分)は「こうべまちづくり会館」で2023年に公開。今回は劇場版(77分)としての初公開となった。
監督は、神戸で映画制作団体「神戸活動写真倶楽部・商会 港館」を30年間主宰している衣笠竜屯(りゅうとん)さん、脚本・プロデューサーは川村正英さん。主演は、澪クリエーション所属俳優で宍粟市観光大使でもあるmayu(まゆ)さん、俳優の西出明さんがナレーションを務める。
作中では、神戸が経験した3つの歴史的な出来事として「神戸大空襲」「阪神淡路大震災」「コロナ禍」を取り上げ、膨大な資料を基に150年の歴史を振り返っているが、これらの資料の多くは「神戸アーカイブ写真館」や「神戸市文書館」の資料を使用。ほかにも24の提供者の協力があったという。さまざまな歴史的な試練を乗り越えた神戸の街を、「映画館の発展」という視点で解説を試みた歴史フィクション映画となっている。
川村さんは「予期せぬことが起きても、明日も前向きに頑張っていこう、というメッセージを込めた」と話す。衣笠さんは「神戸の過去と現在をつなぐ作品を作りたかった。子どもたちにも見てもらいたい」と話す。
同映画を鑑賞した角山順子さんは「懐かしい映画館がいっぱい出てきてすごく良かった」と振り返る。同じく鑑賞した神戸市在住の田中亜希さんは「映画にそこまで興味がない人でも楽しめると思うので神戸に縁ある人に薦めたい」と話す。