
短編映画「わたしの居場所」の上映会が4月23日、第3ドックハウス古道具店(神戸市長田区神楽町4)で開催された。主催は地域コミュニティー「ながたって」。
阪神・淡路大震災から30年後のカフェを舞台にした同映画。神戸市中央区で開催されたまちづくり関係者の交流イベント「CsMeets」(シーズミーツ)に参加した同コミュニティー代表の尾谷伸也さんと、同映画の監督を務めた濱嶋仁美さんが2カ月前に出会い、意気投合したことで上映会開催が決定した。
映画は、人間関係のもつれで仕事を辞め東京から神戸に引っ越してきた女性が、あるきっかけにより立ち寄るようになったカフェで地域の人たちと関わるようになり、新たな「居場所」を見つけるというストーリー。神戸在住の俳優・堀内正美さんや地元劇団で活動する地域の人たちが出演した。
上映会は監督の濱嶋さんも参加。灘区出身の濱嶋さんは、小学生の時に被災して半年間避難生活をした経験があり、自宅再建のローンに苦労した両親の姿も見てきたという。米国の大学で映像について学び、帰国後はニュース映像の仕事をしてきたが、「震災30年という大きな節目に震災をテーマにした映画を製作したい」との思いから、大学時代の友人の手助けも得ながら昨年12月に完成にこぎ着けた。
上映後の参加者自己紹介では、1人1分間の発言枠に収まらない思いを共有し、来場者からは「震災について語りだすと止まらなくなるのが神戸らしさ。震災の経験が今では神戸の強みになっているのではないか」との声が聞かれた。
尾谷さんは「これからもみんなの居場所となるような、ゆるいつながりの場を作っていきたい」と話す。