バンクーバー2010パラリンピック冬季大会で銀メダルを獲得した円尾智彦選手が3月31日、神戸市役所を表敬訪問し神戸市スポーツ特別表彰を受けた。
カナダ・バンクーバーで開催された同パラリンピック冬季大会にアイススレッジホッケー競技に日本代表として出場した円尾選手は、冬季パラリンピックアイススレッジホッケー競技史上初めて銀メダルを獲得。特別表彰はこの栄誉をたたえ、円尾選手に神戸市から盾と記念品としてiPodが贈られた。円尾選手からはサイン入りの同スポーツ専用パックを市長に贈った。
矢田立郎神戸市長から「カナダ戦の勝利では、アメリカ戦も勝てると思った。どんどんレベルを上げて、ソチではぜひ金メダルをとってほしい」と声をかけられた円尾選手は「カナダに勝った時は本当にうれしかった。まだ選手歴2年なので、これから技術を上げて4年後のソチを目指して頑張りたい。次は一番上のメダルをとりたい」と応えた。
円尾選手は「アイススレッジホッケーは逆転が難しい競技だが、チェコ戦で逆転勝利できたのが良かった。カナダ戦は開催国ということもあり会場は超満員、8割方はカナダファンだった。勝利の瞬間には選手みんな泣きながら抱き合ったが、一つのヤジもなくスタンディングオベーションを送ってくれた。勝っても負けても応援してくれるカナダの国民性には感動した」と振り返った。「寒い国でのスポーツなので兵庫・神戸ではなじみがない。これを期に関西でチームを作ってみたい」とも。
円尾選手は学生時代から車いすバスケットボールをしており、神戸市代表で全国障害者スポーツ大会の車いすバスケットボールに出場。2008年春にアイススレッジホッケーのメンバーに誘われ、同年9月に車いすバスケットボールから転向した。日本チームは、世界のベスト4に入る実力を持ち、今年1月に長野県で行われた国際大会では準優勝の成績を残した。
同パラリンピック冬季大会では、予選リーグ第1試合はチェコ共和国に2対1で勝利、第2試合は韓国に5対0で勝利、第3試合米国に0対6で敗退。予選リーグ2勝1敗でプレーオフに進出、準決勝でカナダに3対1で勝利、決勝で米国に0対2で敗退し、準優勝、銀メダルを獲得した。