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神戸旧居留地に芸術家の交流拠点-若手アーティスト自ら改装

バスルームだった部屋を事務所として改装

バスルームだった部屋を事務所として改装

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 神戸旧居留地海岸通を代表する地上4階建て近代建築「チャータードビル」(神戸市中央区海岸通)2階・3階フロアが現在、芸術家の交流拠点「1(いち)」の4月1日オープンに向けて改装されている。名称は初年度「1」、2年目は「2」と毎年変わる。

NPO法人「芸法(げいほう)」理事長でもある田村孝次さん

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 1938(昭和13)年、米建築家ジェイ・ヒル・モーガンが設計し「チャータード銀行(Chartered Bank)神戸支店」として建てられた同ビル。現在、1階はカフェ・ブティックとして活用されている。

 新拠点としての改装を手掛けるのは、「地域と人のつながりをアートで創る」活動に取り組むNPO法人「芸法(げいほう)」理事長でもある田村孝次さん。コンセプトは「面白いことが集まる場所」。「アーティストの立場で何か面白いことをやってやろう、というところからこの企画は始まった」と田村さん。「作品を創るとき、企画を考えているとき、いつもキーワードになるのは『面白い』ということ。コト、ヒト、モノその全てから、独自の観点で『面白い』を集め発信する。神戸を刺激的なアートのあふれる面白い街にしたい」と話す。

 アーティストがいつも苦労する画材や資材集め、展覧会やアート企画の進め方、企業とアーティストのコラボレーションや新材料の開発、アートによるPRなどのサポートも行い、多くの手によって一人のアーティストが成長し、「社会がアーティストを育てる」という構図を目指す。完成後は、昨年5月に結成された起業支援サービス団体「起業スタイル」に所属する弁護士、司法書士、税理士、行政書士、コンサルタント、デザイナーなども出入りし、同NPOを通じアーティストの支援・マネジメント活動に乗り出す。

 空間面積は150平方メートル。改装後は、企画ギャラリー・貸しギャラリー・共同アトリエ・カフェ&バー・コワーキングスペースとして活用していく。現在、同団体所属の若手作家らが改装を行っており、「若手アーティストを応援していただける方や企業スポンサー、解体や改装などの資材提供も募集している。一人でも多くの方に協力いただければ」と呼び掛ける。

 改装中にもかかわらず同拠点に興味を持ったゴシック&フェティッシュバー「IDEA(イデア)」(中山手通2)オーナーのMIDORIさんは「バスルームだった部屋を(バスタブの一部を残したまま)事務所として改装している写真を見て魅力を感じた」と話し、同店のイメージ写真を撮影。撮影は国内外で活躍するカメラマン・谷敦志さんが手掛けた。田村さんは「ここに出入りしているということ自体が『おしゃれ』『とんがっている』というイメージをつくりたい」と話す。

 4月1日には、ドリンクと軽食を用意しオープニングパーティーを予定。参加無料。

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