■メンバー紹介
・Olga(オルガ)さん
パートはアルト。お酒が大好きで、福岡県の出身。
「性格も歌も豪快なのが魅力。 『がっつり』した曲をほえるように歌うのが得意」(メンバーのMAHさん)。
・Choco(チョコ)さん
パートはソプラノ。愛知県の出身で、ライブでは主にMCを担当している。
「独特の言葉遣いが特徴」(メンバーのHARUさん)。
・HARU(ハル)さん
パートはリードボーカル。リーダーを務める。
日常ではおしゃべりが好きな盛り上げ役。アレンジを担当している。
・MAH(マー)さん
パートはリードボーカル。
ライブ中に盛り上がっている中でいったん空気を落ち着かせる役目。しっとりとした曲の前にMCを担当することが多い。
・ten-ten(テンテン)さん
パートはボイスパーカッション。
アカペラがずっと好きで、女性だけどベースやボイスパーカッションを自分でできたら楽しいだろうなと思い、活動を始めた。今のメンバーの中では最も古株で、今年で10年目になる。ほかのメンバーがステージ上でMCをしている時のツッコミ役。
・Barley(バーリー)さん
パートはベースボーカル。
曲によってはベースボーカルの低音の魅力を生かしたソロパートもある。今はMCで話すときの「オチ」を勉強中。「一生懸命で頑張り屋さん、行動力がある。けれど、そそっかしくて抜けている部分も」(メンバーのten-tenさん)。
■現在の活動
・現在はどんな活動をしている?
ten-tenさん:ライブは基本的に1週間に1回以上。毎月第1金曜日は三宮のライブハウス「CASHBOX」、それ以外の週の木曜日は姉妹店のライブスペース「UP&ALL」で定期的にライブを開催している。また、京都や神戸市西区のジャズ喫茶でも月1回ライブを開いている。
5月6日からアルバム「Aventura」のライブツアーも行う。名古屋や大阪、東京など全9カ所を回るので、ぜひ見に来ていただけたら。
・結成について
HARUさん:ten-tenは10年目、ほかの5人は2012年に加入したので3年目を迎えた。私たちが所属する事務所の育成グループ出身のメンバーや、以前は別のグループで活躍していたメンバーなど、それぞれが出身地や経歴もバラバラ。縁があって一緒にやれている。みんなマイペースなので、これからもっと結束していけたら。
・Olgaさんの状況について
Olgaさん:昨年3月にバセドウ病にかかり、約半年間休んでいた。完全復帰までの間はメンバー5人にサポートメンバーを加えて活動。復帰当初は体力が追いつかず、2~3曲からステージに立ち始め、少しずつ調子を取り戻していった。やっと症状が安定してきたことで、今年3月に行った京都でのステージから全ての曲に参加。まだ様子見なところもあるけれど、サポートメンバーに手伝ってもらうところを見極めつつ、これからもみんなとやっていきたい。
■5月発売のアルバムについて
・思い入れのある曲は?
HARUさん:「イパネマの娘(Garota de ipanema)」と「コーヒールンバ」はこのアルバムのためにレパートリーに加わった曲。ライブでもCDでも、聞いてくださる方が楽しんでいただけるように、異国の雰囲気を出したくて選曲した。
MAHさん:私が「ふりむかないで」「喝采」を編曲した。これまでも、ビートルズやマイケル・ジャクソンをボサノバアレンジで歌うことはあったが、完全なボサノバ(イパネマの娘)をやるのは初めて。そして、日本語と英語の曲は歌っていたが、ポルトガル語の曲は初めてなので、私たち自身の音楽の幅が広がったのでは。
・アルバムやライブの選曲について
HARUさん:アルバムのためというよりは、ライブで歌っている曲をイメージに合わせて選んでいく。ライブで歌っていくうちに曲がどんどん進化していく。初めて歌うときにはとても緊張するけれど、みんなでアレンジを加えながら仕上げていく。
ten-tenさん:自分たちの路線は自分たちで決めている。中学校や高校などの文化鑑賞会などに呼ばれてステージに立つときはAKB48の曲を歌うことも。ホテルやパーティーなどで歌うことも多いので、場に応じて客層を見て歌う曲を決める。レパートリーは130曲以上。
・これまでのアルバムを振り返って
HARUさん:メンバーチェンジ後のファーストアルバム「BrandNew」をリリースしたころは結成して間もないころで、レパートリーも少なかった。今あまり歌っていない曲も入っているのは裏話(笑)。2012年4月にメンバーチェンジをしてから、5月にはアルバムのレコーディング、7月にリリースし名刺代わりのファーストアルバムを持って全国ツアー、というめまぐるしいスケジュールだった。
Olgaさん:1枚目のころは前のメンバーが歌っていた曲を引き継いで歌っていた。自分たちのやりたい歌に挑戦し、1960年代前後の日本語のレパートリーはメンバーチェンジ後初の試み。それが2枚目のアルバム「Antique」につながった。
MAHさん:自分たちが「この曲を入れたい」と意見を出し合ったのは2枚目のアルバムから。自分たちの意見を出せるようになり、2枚目は「いいものができた」と手ごたえがあった。3枚目をリリースするにあたり、1枚目と2枚目とは違ったことをしないといけないとメンバーで話し合ったことも。
HARUさん:4枚目のアルバムは「ザ・ピーナッツ」の曲ばかりを入れたい。
■ファンの声
5月2日に「CASHBOX」で開催された「Aventura」先行発売ライブに訪れていたファンの方に話を聞いた。
40代男性:MCがまだまだ(笑)。でも歌はすごい。自分の青春時代を思い出す1970~80年代の曲も歌ってくれるし、年配のファンも多い。女性でここまでレベルの高いアカペラグループは珍しい。ほかのグループと聴き比べて感じるのはボイスパーカッションのレベルの高さ。本当に素晴らしいと思う。
30代男性:彼女たちのライブで好きになった歌もたくさんある。歌声も魅力だが、歌う姿や表情も女性らしさを感じられてすてきだと思う。今歌っている昭和の曲もいいが、若さを生かして最近の曲や男性ボーカルの曲を女性アレンジでも歌ってほしい。
■今後の目標について
HARUさん:このメンバーになってから年間約200回ステージに立ち、それを丸2年続けてきた。変わらずステージから目の前にいる方にその時その時に合った言葉や歌や表情を、自分たちのできる限りのものを届けたい。CDよりも生で歌を感じてもらって一緒にいる空間を作っていきたい。だから、これからもここに来れば会えるという空間を提供していきたい。
「3rdアルバム『Aventura』リリースツアー、関西でのライブは5月25日のビルボードライブ大阪。ぜひ見に来てください!」
■取材を終えて
取材中、「せっかくだから1曲歌います」と好意で「ハナミズキ」を聴かせてくれた。それまでのインタビュー中は、互いのコメントに対してツッコミを入れ合いながら和気あいあいとした雰囲気で進んでいたが、空気がピンと張り詰めるような緊張感の後、心地よい歌声が響き渡る。「ライブで聴く、CDで聴く、生声を聴く、それぞれ違う」(Olgaさん)とは聞いていたが、女性ならではの高音、正確なベースライン、圧巻のボイスパーカッションにリードボーカルとコーラスの美しいハーモニーに言葉を失った。
実際に彼女らのファンでライブにも訪れるという男性に聞くと、「歌い出した時に一気に曲の世界観に引き込まれる魅力がある。レベルが日に日に上がっているように感じるので、聴きながらまた次回が楽しみと毎回思う」と聞かせてくれた。
全国ツアーにビルボードライブ大阪でのライブを控え多忙な中でも「見に来てくださる方に生で歌を感じてほしい」と毎週の神戸でのライブは欠かさない彼女たち。今後の活躍に期待したい。