■街を盛り上げる活動
-どんなイベントをしている?
前職で商業施設の販促企画を担当していたころから、三宮センター街にレッドカーペットを敷いてランウエーに見立てファッションショーを行う「SANNOMIYA COLLECTION」に携わっていた。退職してからは実行委員の一人として関わっている。ほかにも神戸・三宮センター街が2016年を見据えて、もっといい街にしようという動きがあり、そちらでも活動している。
-活動内容は?
2010年ごろからイベントの企画・運営を担当。今年から三宮センター街の企画担当としてさまざまな活動に携わっている。イベントによってフェイスブックやブログを使用して広報活動も行っている。
■9月23日に開催したファッションイベント「SANNOMIYA COLLECTION 2012 A/W(通称=サンコレ)」について
-どんなイベント?
ファッションを軸として三宮の街のあらゆるジャンルの「BEST SANNOMIYA STYLE」を提案し、神戸の「今」を発信する。三宮センター街中央に15メートルのレッドカーペットを敷いた特設ランウエーを設け、ファッションショーなどを展開。三宮センター街、神戸さんセンタープラザを中心とした三宮近辺の商業施設が参加し、「秋冬のおすすめコーディネート」をファッションショーで紹介した。モデルとの距離が近いストリートショーならではの臨場感を楽しむことができるイベント。
-準備はいつごろから?
前回が3月に終了して、直後からじわじわと準備を始めた。本格的になったのは6月ごろから。前回は今までになくタイトスケジュールだった。いろいろな方や商業施設に協力してもらって、タイトなスケジュールの中、しっかりと楽しめるものができたと感じている。
-目指す先は?
神戸コレクションとはまた違う、ストリートでイベントをする魅力を発信し続けていきたい。ファッションショーというと、若くてファッションに関する感度が高い人が参加し、敷居が高いイメージがあるが、いい意味で飾らない、ありのままの神戸を身近に感じてほしい。老若男女問わず参加いただき、「神戸はやっぱりファッションの街だ」と感じ、楽しんでほしい。演出でやりたいことはまだまだたくさんあるので、「SANNOMIYA COLLECTION」から神戸の街の魅力を発信できるようなイベントにしたい。
■神戸・三宮と、その他の関西エリアについて
-各エリアの現状は?
京都・大阪・神戸はそれぞれの街にそれぞれの特徴があり、関西ならではの空気や感覚を持つ街。常に感じるのはそれぞれの街が個性的で、色んな持ち味があるということ。個性がもっと生きる街づくりをして、若い世代が自分たちの街の個性をどう発揮するか。そこを伸ばすことができれば、関西はもっと盛り上がっていくのではないかと考えている。
-神戸・三宮について
市外の方から言われるのは、神戸はおしゃれで異国情緒あふれるファッションの街というイメージ。そのイメージをもっと斬新な形で発揮させたい。現状は京都や大阪の方が個性をうまくアプローチできているように感じる。神戸ももっとアプローチが上手になれば、それとともに魅力的な街になっていくのでは。
■今後について
-今後実施するイベントは?
現在、神戸・三宮センター街で、お正月にセンター街で楽しんでいただける「何か」を企画しようと動いている。生田神社へ初詣に来た方がその後センター街で楽しめるものを考えたい。
-やってみたいことは?
情報だけでなく、何もかもがありふれている時代。誰もが何不自由なく暮らして、何となく過ごしているのではないかと感じる。日常ではなく非日常を体験して、感動したり、心に感じるものがあったり、明日から頑張ろうと思えたり、心に刺さって引っかかる何かを表現したい。そういったことを意識しながら、さまざまな活動に関わっていきたい。
-三宮センター街・自分自身の方向性は?
2016年を見据えた神戸・三宮センター街活性化の動きは、年配の世代の方が一生懸命になって進めている。世代交代の時期を迎え、次の世代に神戸の街を託そうとしている。それを若い世代がどう表現していくか。これから作っていくのもそうだが、すでにあるものをどう発信していくのか。街として真剣に取り組んでいきたい。
■インタビューを終えて
前山さんの魅力は、オンとオフのギャップにあると感じる。明るく活動的で笑顔を絶やさない女性らしい一面と、真剣に街を考え一歩一歩着実に目標に向かう真摯(しんし)な一面を併せ持っている。自分自身や街のこれからを語る様子は「頼もしい」の一言だ。
神戸を拠点にフリーランスで活動するデザイナーやクリエーターについて話をしていると、「そういう方たちの発表の場を作りたい」と笑顔を輝かせながら今後の展望も聞かせてくれた。2016年に向け新たな成長を遂げようとしている神戸・三宮センター街や前山さんの今後に注目していきたい。