神戸サンボーホール(神戸市中央区浜辺通5)で8月11日・12日、「inrevium杯 第12回レスキューロボットコンテスト」競技会本選が開催された。
「レスキュー工学大賞」を受賞した「なだよりあいをこめて」(神戸市立科学技術高校 科学技術研究会)
阪神・淡路大震災をきっかけに生まれた同コンテストのテーマは災害救助。高校、高専、大学、一般の参加者がチームを作り、レスキューロボットを製作。被災した街の模型から要救助者に見立てた人形・レスキューダミー(愛称=ダミヤン)を救助し、アイデアや技術力、チームワークなどを総合的に競う。
主な審査基準は、ダミヤンをいかに「早く」「優しく」救出するか。ダミヤンにはセンサーが内蔵されており、痛みや衝撃が数値化され減点の対象になる。さらに審査員による評価も重視。一般審査員は自分が要救助者だった場合、そのロボットに救われたいかという印象で評価。専門審査員は専門家の立場で評価する。
今回の応募総数は24チーム。書類審査で20チームが採択され、予選で14チームが選出された。2日間にわたったレスキュー活動の結果、最も優れたロボットに贈られる「ベストロボット賞」・「ベストパフォーマンス賞」を「がんばろうKOBE」(神戸市立高専)が受賞。「消防庁長官賞」には「六甲おろし」(神戸大学)が、最高賞「レスキュー工学大賞」・「ベストチームワーク賞」には「なだよりあいをこめて」(神戸市立科学技術高校科学技術研究会)が、それぞれ受賞するなど、地元神戸の活躍が目立った。
同会場1階では「あそぼう!まなぼう!ロボットランド」と題し、レスキューロボットの試作機の展示、企業や消防関係団体の展示、操縦体験、工作教室などが行われ、両日親子連れなど延べ5884人が訪れた。
審査員長の大阪大学大学院教授・大須賀公一さんは「レスキューロボットコンテストは、災害救助という深いテーマを扱うもの。『ロボコン』と『レスキュー』両方の意味を含み、レスキュー活動に高い評価を置く『レスコン』という新たなカテゴリーとして定着させたい。来年は東京でも予選が行われ、レベルも上がると思われる。来年につながるいい大会だった」と総評した。