ギャラリー北野坂(神戸市中央区山本通1)で2月17日、イラストレーター・伊達佳予子さんの作品展「ユメのトリ めぐるものたち」が始まった。
同展はイラスト原画を中心に木製のオブジェや小さな絵本、カードなどの紙製品や雑貨など約40点を展示・販売するもの。テーマに合わせてモチーフに鳥を描いた作品も多い。伊達さんは例年この時期に同ギャラリーで作品展を開催し、今回で6回目を数える。
自らの作品について、「かわいいだけの世界では面白くないし、私自身も苦手。だから作品には不思議な生き物や変なものを混ぜてみたりする」と話す伊達さん。その作品にはくちばしのようなものが付いた人間や顔のあるキノコなど、さまざまなキャラクターが登場する。「何か特定のものだけを描くのではなく、見た方に『何だろう、これ?』と思ってもらえるものを描くのが好き」とも。
「煮詰まると辛いので、よく気分転換に外を散歩する」と話す伊達さん。作品を作る時はイメージを作ってしまうよりは何となく描き始めるという。「作品を描きだすと止まらない。集中するとご飯も忘れて描いていることもしばしば(笑)。気付くと外が暗くなっていたり、反対に明るくなっていたりする」と明かす。
会場はコンクリート打ちっ放しの壁に木目調の床、ガラス窓とシンプルな空間だが、繊細なタッチで描かれたさまざまな作品が普段よりも優しく温かい印象を与える。伊達さんは「このギャラリーはしたいことができる空間なので、今回は布製のオーナメントをつるして空間作りをした。音楽に詳しい友だちに作品に合う曲を集めたCDを作ってもらったので、ずっと流している」と話す。「来場いただける方には絵だけではなく、空間全体を楽しんでほしい。現実逃避とまでいかなくても普段とは少し違う雰囲気の場所に遊びに来ていただければ」とも。
開場時間は11時~18時。入場無料。3月1日まで。