兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1)で8月5日、特別展「宝塚歌劇100年展-夢、かがやきつづけて-」が始まった。
宝塚歌劇は1910(明治43)年、箕面有馬電気軌道開通を契機につくられた娯楽施設「宝塚新温泉場」に設けられたパラダイス劇場で、1914(大正3)年4月1日を初日として行われた宝塚少女歌劇公演から100周年を迎える。
創設者の小林一三さん(1873-1957)が提唱した「新しい国民劇の創成」という理念の下、宝塚歌劇はオペラ、レビュー、歌舞伎、新劇などさまざまな要素を採り入れながら独創的な世界を展開。戦争や災害などの困難を乗り越え、多くのスターを生み出し、「ベルサイユのばら」「風と共に去りぬ」などのヒット作を生み、国民的エンターテインメントとしての地位を確立してきた。
同展では、独自の演劇文化を築いてきた宝塚歌劇の100年をさまざまな観点から紹介。ステージ映像や写真、衣装や舞台のデザイン画、上演作品のポスターをはじめとした各種資料など約600点のほか、大地真央さん、真矢みきさん、天海祐希さんなど現在は女優として活躍する元「宝塚歌劇」のメンバーが100周年に寄せたメッセージボードも展示している。
会場内には、手に持つ「シャンシャン」という名の小道具類の展示や「大階段」をはじめとする舞台装置も再現。トップスターが背負う羽飾りを体験できるコーナーや記念撮影スポットも設ける。
「ミュージアムホール」では、現役のタカラジェンヌや元タカラジェンヌが出演するイベントを開催。8月16日は大地真央さん、9月3日は大和悠河さん、同9日は湖月わたるさん、同11日は朝海ひかるさん、同17日は春野寿美礼さん、同27日は芹香斗亜さん、柚香光さんが記念トークショーを行う。
5日に行われた開会式では、今年5月に宝塚歌劇団を退団したばかりの元花組トップスター蘭寿とむさんをはじめ、宝塚歌劇団の小林公一理事長、井戸敏三兵庫県知事、山田徹教育委員長、同館の蓑豊館長らがテープカットを行った。
蓑館長は「世界に誇れる新しい日本の芸術として、100年から200年へ続く一歩を地元の美術館から発信ができ誇りに思う」と話した。
開館時間は10時~18時(金曜・土曜は20時まで)。月曜休館(9月15日は開館、同16日は休館)。入場料は、一般=1,300円、大学生=900円、高校生・65歳以上=650円、中学生以下無料。9月28日まで。