アルゼンチン出身のギタリスト・Dominic Miller(ドミニク・ミラー)さんが10月11日、神戸・トアウエストの「ギター・バイオリンショップ ロッコーマン」(神戸市中央区下山手通3)にある「ロッコーマンホール」でワンマンライブを行った。
ドミニクさんは1960年生まれの54歳。これまでにフィル・コリンズさん、シェリル・クロウさん、ロッド・スチュワートさん、「Level 42」、ポール・ヤングさん、ティナ・ターナーさんなど、多くのミュージシャンと共演している。中でも「ポリス」のベーシスト兼ボーカルであるスティングさんのレコーディングやツアーサポートには25年参加している。
今回の来日はアジアツアーの一環。今月に入ってから、香港、マカオ、台北を回り、同ツアー最終公演を日本で迎えた。国内ライブの主催は神戸のレーベル「SPACE DOG! Record(スペースドッグ!レコード)」(旭通3)。同レーベル代表の河原タクさんが今年2月にフランスで開催された音楽イベントへ出張した際、ドミニクさんのマネジャーから「ぜひ日本でもライブを開きたい」と打診を受けたこととドミニクさん自身の強い要望もあり実現した。
海外ではフェスなど大きなステージが多かった中、神戸ではあえて60席限定でライブを開催。ドミニクさんは、サポートベーシストと2人で約1時間の演奏を披露。間近で奏でる世界レベルの音楽に観客は酔いしれた。公演後は気さくにサインや写真撮影に応じていた。その夜、スタッフらと北野にある「お好み焼 多田」(山本通2)で神戸牛鉄板焼きを初体験。柔らかい肉を口にしたドミニクさんは「素晴らしいライブができたし、神戸ビーフも食べられたので最高に幸せ」と笑顔を見せた。
13日には、東京・築地のライブハウス&レストラン「BLUE MOOD」(東京都中央区)でライブを開催。台風19号が接近している中、悪天候にもかかわらず多くの観客が訪れ、大盛況で同ツアーを終えた。
タクさんは「世界トップ水準の演奏に言葉が見当たらない。まるで映画を見ているような演奏は素晴らしいの一言だった。25年間スティングと演奏し、1年の内8カ月はツアーで同じ曲を何千回もやりながら一度も完璧だったことはないというドミニク。食事にはあまり時間をかけず、睡眠も短く、お酒も飲まず、残った時間はすべてホテルの部屋でギターを弾いていた。そんな人間がささげているものを間近に体験できた喜びは決して忘れることがない。音楽を含め、それ以外からもたくさんのことを学ばせてもらった」と話した。