神戸・三宮の「神戸市勤労会館」(神戸市中央区雲井通5)で9月26日、「クラウドソーシングを活用した多様な働き方セミナー」が開催された。
在宅ワークを行う渡邉美香さん(写真右)とエムラケイジさん(写真左)
クラウドワークス(東京都渋谷区)が推進する神戸市の事業「働き方改革推進支援業務」の一環として開いた同セミナー。働く意欲があるにも関わらず、出産や育児、介護、障がいなどにより通勤や長時間勤務が困難な人を対象に実施し、当日は103人が参加した。オンラインで仕事の受発注を行う「クラウドソーシング」を活用した働き方を、事例を交えて紹介した。
セミナーでは3年前から子育てと家事の両立のため、同社が提供するライティング案件を中心に在宅ワークを行う渡邉美香さんと、同じくフリーランスとしてロゴやポスターデザインなど同社のコンペ案件を中心に手掛けるエムラケイジさんがトークセッションに登壇。渡邉さんは「時間の融通が利き、収入の調整ができるのが在宅ワークのいいところ。仕事の合間に洗濯や掃除をするので1日の稼働は実質5~6時間程度。ストレスをためるとやりたくなくなってしまうので、友達とランチするなど、自分で自由に調整が利くのがありがたい」と話した。
左手に障がいを抱えながら就業し、スキルと実績で評価される働き方に可能性を感じているというエムラさんは「15年以上デザインを仕事にしているが、デザイン力はまだまだだと思った。コンペに挑戦することは練習や勉強にもなるので、技術を極められる場なのでは」とも。
同セミナーに参加した30代女性は「大学を卒業してすぐに専業主婦になったため就労経験がなく、今さら企業に勤めることに実感が持てない。在宅ワークで働くことに自信を付けたい」と意欲を見せる。40代の女性は「妊娠を機に退職してから10年近く働くことから遠ざかっていた。このセミナーをきっかけに自分にできる仕事から始めてみたい」と話していた。