兵庫県立美術館(神戸市中央区脇浜海岸通1、TEL 078-262-0901)ギャラリー棟3階で7月1日、日本・ブータン外交関係樹立30周年記念展覧会「ブータン しあわせに生きるためのヒント」が始まった。
2005年の国勢調査で約97%の国民が「幸せ」と回答したブータン。同展では、国民の幸福感の根源をブータンの人々が信仰するブータン仏教、豊かな自然環境、国民からの信頼と尊敬の念が厚い王室などを通して迫る。
会場は全3章の構成で、第1章「ブータン的生活様式」では、民族衣装や装身具など、伝統的な生活を紹介。第2章「ブータン仏教と信仰」では、7世紀にチベットから伝来し、ブータン全土に定着した仏教に関する宗教美術などを紹介する。第3章「愛されるブータン王室」では、日本でも人気の高いブータン王室のロイヤルコレクションを日本初公開。初代国王ウゲン・ワンチュク国王から第5代ジグミ・ケサル・ナムギャル・ワンチュク現国王までの王家と王室を彩る華やかな衣装や装飾品を特別展示する。
7月7日までの期間限定で、2011年夏にブータン東部で約80年ぶりに発見され、「ヒマラヤの貴婦人」と呼ばれるブータン王国国蝶「ブータンシボリアゲハ」の貴重な標本の特別公開も行う。
ギャラリー棟1階には、「回すだけで幸せになれる」という「マニ車」の体験コーナーを設置。円筒形の本体内部には経文が納められているため回転させた数だけ経を唱えるのと同じ功徳があるとされている。ブータンの民族衣装で女性用のキラ、男性用のゴを体験できるコーナーも用意する。
6月30日に行われた開会式では、ブータン王国国立博物館のプンショク・タシ館長らがテープカットを行った。プンショク・タシ館長は「日本とブータンがどんなに遠く離れていてもこの展覧会を通じて身近に感じていただければ」と話した。
会期中は、サッカーのドキュメンタリー映画「アザー・ファイナル」上映会(9日14時~15時20分、ミュージアムホール)、講演会「ブータンのうつりかわり」(30日15時~16時、レクチャールーム)なども予定する。参加無料。
開館時間は10時~17時。月曜休館(祝日の場合は翌日)。入場料は、一般=1,400円、大学生=1,000円、高校生以下無料。9月3日まで。