地方独立行政法人神戸市民病院機構は12月1日、神戸ポートアイランド医療センター駅西側に全国初の目の病気に特化した眼科専門病院「神戸アイセンター」(神戸市中央区港島南町2、TEL 078-381-9876)を開院する。
神戸市立医療センター中央市民病院と先端医療センター病院の眼科機能を集約・拡充した同施設。国家戦略特区プロジェクトとして、iPS細胞を活用した世界初の臨床研究である網膜治療をはじめとする再生医療の迅速な実用化などを図るため、基礎研究から臨床応用、治療、リハビリ・生活復帰支援までトータルで対応する。
敷地面積は2000平方メートル。地上7階建てで、延べ床面積は8583.67平方メートル。2階に総合受付と会計が配置され、受け付けした外来患者はエスカレーターやエレベーターを利用し3階の外来診察室・検査室に向かう。病床数は、4床室6室・個室6室(うち感染症対応2室)の計30床。
2階には、弱視者・視覚障がい者向けの日常生活支援を行うロービジョンケアフロア「ビジョンパーク」も開設。リハビリ、展示スペース、セミナーや就業支援を行うホールを兼ねた空間になっており、外来患者やその家族だけでなく、「見えない」「見えにくい」などの悩みを持つ人、企業、医療、福祉、教育などさまざまな専門分野の人が集い、「視覚」に関する情報を発信・収集する場所として開放する。
11月26日には開設記念式典が行われ、主催者として久元喜造神戸市長と神戸市民病院機構の橋本信夫理事長が登壇しあいさつ。同施設の院長予定者である栗本康夫さんをはじめとする関係者らがテープカットを行った。同日行われた一般内覧会には約500人が参加した。
久元市長は「この病院の新しさは、標準医療と最先端の高度医療を眼科という領域の中で一つの病院が担うこと。これは相互の作用があると思う。基礎的な標準医療の積み重ねと全く新しい発想の研究、それぞれの要素によって高度先端医療が進化していき、それが市民にも還元される」と話した。