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神戸・ファミリアホール跡地に33階建て高層マンション 建物の一部を復元

解体前の景観形成重要建築物「旧ファミリアホール(旧三菱合資会社神戸支店)」

解体前の景観形成重要建築物「旧ファミリアホール(旧三菱合資会社神戸支店)」

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 神戸初となる景観形成重要建築物「旧ファミリアホール」の保存・復元タワーマンションプロジェクト「ザ・パークハウス 神戸タワー」(神戸市中央区相生町1)のモデルルームが3月17日、グランドオープンした。

建物全体の模型

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 同物件は、1900(明治33)年に建てられた「旧三菱合資会社神戸支店(後のファミリアホール)」跡地に建つ地上33階建ての超高層制震タワーマンション。明治の建築界をけん引した曽根達蔵が設計した解体前の建築物は、1919(大正8)年より「三菱銀行神戸支店」として長い間銀行機能が置かれた。1977(昭和52)年に神戸発祥の子ども服ブランド「ファミリア」の本社となり、「ファミリアホール」として展示会などで内部を一般公開。2000年には神戸市都市景観条例に基づく景観形成重要建築物などに指定された。

 同プロジェクトの開発を進めている三菱地所レジデンス、JR西日本不動産開発、三菱倉庫、安田不動産は、同建物が異国情緒あふれる神戸の街並みのシンボルとして、多くの人々に愛されてきたことを思い、建物の一部を保存し、新築時に基壇部に旧建物の外壁を復元することを決めた。

 復元のため外壁を手作業で解体。5327点にも及ぶ部材を保管し、新築時に組み直す「生け捕り」という手法を用いた。外壁だけでなく、エレベーターホールとコンシェルジュカウンターの出入り口には保管した半円アーチを設置。コンシェルジュカウンターとエレベーターホールには、旧三菱銀行時代に使われていた金庫の扉を磨き直し、空間意匠として採用する。内装は、木彫と石の素材感を調和することにより、復元した外観に呼応するクラシカルな空間に仕上げる。

 同規模の一般的なビルと比較して、地震力(地震時に建物に加わる水平力)を3分の1程度に低減する制震構造「デュアル・フレーム・システム(DFS)」を採用。停電時でも非常用エレベーターを稼働できるよう屋上階に非常用発電機を設置し、防災性を追求する。

 敷地面積は3051平方メートル、延べ床面積は39520.55平方メートル。総戸数は352戸。間取りは1LDK~3LDK。予定販売価格は2,800万円台~2億4,800万円台。駐車場台数は184台。販売開始は今年4月上旬、引き渡しは2020年2月下旬を予定する。

 モデルルームは「2LDK+WIC」「2LDK+2WIC+SIC+N」の2タイプを用意。同物件の歴史などを解説するシアター、建物全体の模型、VR体験コーナーなどを設ける。

 三菱地所レジデンス執行役員関西支店長の加治屋倫浩さんは「神戸史に刻むというコンセプトの下、100年を超えて愛され続けてきた建築を次世代へつなげていきたい」と話す。

 モデルルームの営業時間は10時~17時(水曜・木曜・第2火曜定休、祝日除く)。完全予約制。

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