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神戸・北野異人館と王子動物園にカバの造形作品 公民協働事業の一環で

「うろこ美術館」のカバと立体造形作家・松浦つかささん

「うろこ美術館」のカバと立体造形作家・松浦つかささん

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 神戸北野異人館「うろこの家」(神戸市中央区北野町2)で3月21日、カバの造形作品で知られる立体造形作家・松浦つかささんの展覧会「COME ACROSS-出逢い-」が始まった。「異人館うろこの家グループ」主催、神戸観光局後援。

庭に「青いダチョウ」

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 京都府綾部市在住の松浦さんは「つかさ造形」代表として数々のモニュメントや造形の仕事をこなす傍ら、自身の作家活動を個展を主体に発表を続ける。主に動物と松浦さん流の仏像を制作。動物は二本足で立つなど擬人化したものが多く、仏像は粘土で制作した物をそのまま窯で焼成して作品にする。

 同館の庭には「水量計とシーソーに乗るカバ」「2.7メートルのキリン」「青いダチョウ」を展示。館内にある「うろこ美術館」には、カバ、ペリカンなどの動物をモチーフにしたユニークな作品を並べる。同展のために松浦さんが初めて制作した絵本「名前のないカバとイノシシのポルチェリーノ」(1,000円)も展示・販売する。

 神戸市が進める公民協働での観光事業の一環で行う同企画。粘土で作られた名前の無いカバが自分探しの旅をするというストーリーで、昨年4月17日に神戸市立王子動物園(灘区)で誕生したカバ「出目丸(でめまる)」と出合い、「うろこの家」の庭に住む幸せを呼ぶブロンズ製のイノシシ「ポルチェリーノ」の存在を聞いて合いに行く内容。

 同園のカバ舎横には同館で展示する物と同じ造形物のカバを設け、期間中に同館と同園に訪れるとオリジナルバッジを進呈。客層の異なる同館と同園をストーリーで結ぶことで相互の集客につなげる。

 異人館うろこの家グループ企画・広報ディレクターの崎原朝香さんは「大人向けの『造形展』と子ども向けの『旅をするカバの物語』。2つのイベントをカバの造形作品でつなげることで世代に関係なく芸術の世界を楽しめる企画になったのでは」と話す。

 松浦さんは「『大人に考えてもらいたい』をテーマに絵本のストーリーを考えた。以前から、子どもの絵本ではなく大人のための絵本を作りたいと思っていた。常識的なことや大人が当たり前と思っていることが果たして本当に正しいのか、それでいいのか、疑問を投げかける内容になっている。さらに大人が考えたことを子どもに伝えて、そのことについてディスカッションしてほしい。絵本が親子の会話のきっかけになれば」と話す。

 開館時間は9時30分~17時(24日からは18時まで)。単館入場券は、大人=1,050円、小人(小学生以下)=200円。問い合わせは異人館北野事務所(TEL 0120-888-581)まで。展覧会は5月31日まで。

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