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今秋解体する神戸市役所2号館のミューラルアートが完成

神戸市役所2号館南側3~4階に描かれたTITIFREAK(チチフリーク)さんのミューラルアート(壁画)

神戸市役所2号館南側3~4階に描かれたTITIFREAK(チチフリーク)さんのミューラルアート(壁画)

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 7月13日から「Kobe Mural Art Project(神戸ミューラルアートプロジェクト)」が制作を進めてきた神戸市役所2号館とクーリングタワーのミューラルアート(壁画)が8月14日、完成した。

2号館北側3~4階=HITOTZUKI(ヒトツキ)さんの作品

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 昨年12月に発足した民間団体「Kobe Mural Art Project」とクロスメディアイベント「078KOBE(ゼロナナハチコウベ)」の連携プロジェクトとして、市庁舎2号館の南北の壁面にミューラルアートを描く「2号館ありがとうプロジェクト」と、花時計跡に仮設した本庁舎クーリングタワーの防音壁活用実証事業の一環。

 同プロジェクト代表で神戸市企画調整局つなぐ課特命課長の秋田大介さんが、アーティスト支援活動と地域のアートシーンや経済活性化を目指して展開する、ミューラルアートフェスティバル「POW!WOW!JAPAN」ディレクターの岡本絵美里さんとの出会いをきっかけに、「アーティストがアート活動によってきちんと対価を得て暮らせるようになるためには、市民がアートに対する造詣を深めていき、街としてアートを楽しみアーティストを育てていく文化の醸成が必要」と考え、プロジェクトを立ち上げた。「2号館ありがとうプロジェクト」の発起人は、神戸市建設局長の三島功裕さんと秋田さん。

 1957(昭和32)年から市庁舎として活用されてきた市役所2号館。阪神・淡路大震災で崩壊し、修繕・補強してから25年が過ぎた。建物の老朽化などの理由で今年の秋に解体することが決まっており、「これまで頑張ってきた2号館に感謝してお別れしたい」との思いから、ミューラルアートを描くアートイベントを企画した。

 アートを生かしたまちづくりを進めるための実証実験として、防音壁のミューラルアート制作も同時にスタート。アーティストの活動の場としての可能性や市民がミューラルアートをどのように感じるのかなどの検証のためのアンケートも今後予定している。

 市庁舎2号館のミューラルアートを手掛けたアーティストは、南側3~4階=TITIFREAK(チチフリーク)さん、南側1階通路=Comic Heads(コミックヘッズ)さん、北側3~4階=HITOTZUKI(ヒトツキ)さん。クーリングタワーは、南面(海の面)=KAC(ケーシー)さん、西面(街の面)=佐藤未瑛(みえい)さん、北面(山の面)=saggy steez(サギースティーズ)さんとVERO(ベロ)さん&KERO(ケロ)さん。

 秋田さんは「街の風景が大きく変わった。これをきっかけに街の寛容性が高めていきたい。10月から順次建物の解体が始まるのでそれまでに多くの方に見ていただければ」と話す。

 久元喜造神戸市長は自身のSNSを通じ、「新型コロナウイルスが広がる中、実行委員会の皆さんがさまざまな課題を乗り越えて実現させたプロジェクト。毎日少しずつ描きあがっていく様子にわくわくしていた。さまざまな思いが込められた6作品で街の風景が大きく変わった」と話す。

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