神戸・新在家にあるショッピングモール「サザンモール六甲B612」(神戸市灘区新在家南町1)が12月16日、開業20周年を迎えた。
1918(大正7)年に創業した「小泉製麻」の紡績工場や事務所であった赤レンガ造りの建物を利用した1982(昭和57)年開業のインテリアマート「六甲パインモール」、1991(平成3)年開業の商業施設「ROKKO23(ヴァントワァ)」を前身とし、ROKKO23は当時テレビCMなどのロケ地にもなった。1992(平成4)年に建設省主催の「都市景観大賞」、神戸の誇りとなる景観に贈られる「神戸市建築文化賞」などを受賞したが、1995(平成7)年に起こった阪神・淡路大震災で赤レンガの建物は全壊した。
「サザンモール六甲」商業施設開発・運営本部の岡田慶太さんは「復興は容易には進まなかったが、『この場所でもう一度』の想いで2000(平成12)年にサザンモール六甲B612として生まれ変わり再開。地域に愛される商業施設を目指してこれまで歩んできた」と振り返る。
施設名の由来は、サン=テグジュペリの「星の王子さま」作中で王子さまが住んでいるとされている小惑星「B612」。「物語のように百年、二百年と皆さまに親しまれ、愛されるような施設になりたい」という想いを込めて付けたという。
現在は、インテリアショップ「ACTUS」を核に、「ハーレーダビッドソン神戸」「トレックバイシクル」、ドッググッズ・トリミング「GREEN DOG SQUARE」「Leaf Tea Cafe HIKARI」、キッチンウエア・雑貨「アレックスコンフォート」、神戸発祥の「マザームーンカフェ」、写真館「スタジオエミュ」など、「暮らしを彩り、楽しめるショップ」が集まるペット同伴可能なショッピングモールとして営業している。
20周年を記念して、1890(明治23)年から続く新在家南町と共に歩んだ小泉製麻の開発の歴史をたどる「20周年記念写真展」を2階センターデッキで開催。ホームページでは「WEBギャラリー」を公開している。来場者がQRコードを読み取り、ウェブアンケートを送信することで参加できるプレゼント抽選会も行う。今月11日まで。
岡田さんは「皆さまに支えられ、おかげさまで20周年を迎えることができた。コロナ禍に負けず、これからも神戸で歴史を紡いでいきたい」と前を向く。