神戸・三宮センター街1丁目商店街(神戸市中央区三宮町1)3階Dブリッジにある「三F(サンエフ)ストリート・WEST」がリニューアルし、6月25日、新たな空間が完成した。
2017(平成29)年、人通りが少なかったエイツビル前上部デッキを利活用し、ハイスツールやカフェブースを設置。来街者の憩いの場として、神戸芸術工科大学の学生有志が空間デザイン・制作した「三Fストリート・WEST」がオープンした。「三F」は、三宮の「三」と「Forest For the Future」の「F」。「森で動物たちが集い、くつろぎ、にぎわう場所になるように。神戸の未来につながる出来事がここから生まれるように」という思いを込めたという。
これまで「すてきな時間の間にも、すてきな時間を。」をテーマに、「三Fストリート・EAST」など2回の増設を行っている同スペース。今回、初年度に完成した空間「Loop&Loop」を、これまでとは違うアプローチになるよう一部改修を行った。
「キデイランド三宮店」3階入り口前の通路行き止まり部分は、既存の造作物と新しく提案する凹凸のある家具、植栽によって「ゆっくりとした時間を過ごすことができる小さな森」のよう滞在空間をデザイン。通路としての機能を持たない空間を休憩スペースとした。リズミカルに配置するボックスの様子から空間名を「リトミコ/Ritmico」と名付けた。
人の往来が盛んな「センタープラザ」につながるデッキの通路には、緩やかな曲線を描くロープを頭上に連続して配置。風による揺れや見る位置によって表情が変わり、通る度に違った景色を見ることができるエントランスに仕上げた。連なるロープが層雲のように見えることから「ストラト/storato」と名付けた。
同プロジェクト担当の井上小矢香さんは「デッキ空間の再生プロジェクトを商店街の皆さん、神戸芸術工科大学の学生たちと共同で5年間進めてきた。今回のリニューアルは緊急事態宣言で施工予定が延びていたが、その間も学生たちは体育館での現場施工リハーサルなどを重ねてきた。ようやくお披露目できてホッとしている」と胸をなで下ろす。