神戸の駅弁店「淡路屋」(神戸市東灘区魚崎南町3、TEL 078-431-1682)が1月5日、119周年を迎えた。
ターバンを巻いたタコが目印の「ひっぱりだこ飯」シリーズ初のカレー味「たこ壷カレー」
同店は、「駅弁屋」として1903(明治36)年1月5日に創業。当時の阪鶴鉄道(現・JR福知山線)の構内営業が認められ、大阪駅を拠点に大阪~福知山間の車内販売を始めた。現在は神戸名物として親しまれるさまざまな弁当を提供している。
コロナ禍で不要不急の外出・移動の自粛などが求められ、新幹線をはじめとする鉄道利用が激減。「淡路屋」が作り続けている駅弁も大きな打撃を受けたという。
「『日本固有の食文化、駅弁を絶やしてはならない』という使命感から打開策を模索し続けている」と副社長の柳本雄基さん。これまでにドライブスルー方式での駅弁販売のほか、「飛沫(ひまつ)感染予防シールド付き弁当箱」、初の冷凍商品「どこでも駅弁」、名物駅弁「ひっぱりだこ飯」のタコつぼ風容器に合う「ひっぱりだこの蓋(ふた)」や容器を小ぶりにした「ひっぱりだこのお猪口(ちょこ)」、同業者や異業種とのコラボ商品などを販売し、駅弁が注目されるような取り組みを続けてきた。
今年に入ってからは、1日=JR貨物コンテナをモチーフにした日本貨物鉄道(JR貨物)公認駅弁第1弾「JR貨物コンテナ弁当 神戸のすきやき編」(1,420円)、7日=ターバンを巻いたタコが目印の「ひっぱりだこ飯」シリーズ初のカレー味「たこ壷(つぼ)カレー」(1,200円)、14日=海上保安庁緊急通報用電話番号「118」にちなんだ海上保安庁とのコラボ商品「海の『もしも』は118番ひっぱりだこ飯」と立て続けに新商品をリリースした。
柳本さんは「『たこ壷カレー』の方が注目されると思っていたが、『JR貨物コンテナ弁当』が思いの外、話題となっている」と苦笑いする。
「コロナで会社は大打撃。それでも前を向いてあがき続けた。結果として、素晴らしい商品が生まれ、多くの方に淡路屋を楽しんでもらえた。来年はついに120周年。これまで以上に、あっと驚かせる、思わず笑顔になる商品作りにまい進していくので期待してもらえれば」と前を向く。