神戸で撮影された映画「三度目の、正直」が3月12日から、元町商店街4丁目のミニシアター「元町映画館」(神戸市中央区元町通4、TEL 078-366-2636)で上映される。
監督・脚本は映画監督の野原位(のはらただし)さん。1983(昭和58)年栃木県生まれの野原さんは2009(平成21)年東京藝術大学大学院映像研究科監督領域を修了。共同脚本・プロデューサーを担当し、神戸で撮影した映画「ハッピーアワー」(濱口竜介監督、2015年)はロカルノ国際映画祭脚本スペシャルメンションとアジア太平洋映画賞脚本賞を受賞した。共同脚本として映画「スパイの妻」(黒沢清監督、2020年)にも濱口監督とともに参加している。
「当たり前の日常を生きるすべての人々に贈る人生賛歌」として、野原さんが監督した劇場デビュー作となる長編作品「三度目の、正直」。同作は、第34回東京国際映画祭コンペティション部門に出品されている。
主演は「ハッピーアワー」で俳優デビューした川村りらさん(月島春 役)で、共同脚本も担当。同作には川村さんをはじめ、出村弘美さん(月島美香子 役)、川村知さん(月島生人/樋口明 役)、田辺泰信さん(野田宗一朗 役)、謝花喜天さん(大藪賢治 役)など、「ハッピーアワー」と共通したキャストを起用しているほか、神戸出身のラッパー・小林勝行さん(月島毅 役)が俳優に初挑戦する。
野原さんは「共同脚本を務めた濱口監督の『ハッピーアワー』では、スタッフとしても神戸で1年以上現場を体験し、演者とスタッフの信頼関係がどれほど映画内の世界に影響するかを痛感した。ようやく自分の映画を撮れるとなったタイミングで迷わず彼らに参加オファーをした。山と海、都市がコンパクトに共存する神戸の街も変わらず魅力的だった。主演の川村さんはカメラを通してみると、あふれ出る力強さがあり、発する声に誠実さを感じる俳優。人を撮りたいということにおいては『ハッピーアワー』と共通する部分があるが、異なる趣の作品になっていると思う。登場人物たちの感情に寄り添いながら見ていただければとてもありがたい」とコメントを寄せた。
上映時間はホームページで公開する。鑑賞料金は、一般=1,700円、学生=1,000円、60歳以上=1,200円。