旧オリエンタルホテルの伝統カレーが2月1日、神戸メリケンパークオリエンタルホテル(神戸市中央区波止場町)など5施設で「神戸ハイカレー」として復刻された。
1870(明治3)年ごろにオープンして以来、料理に定評のある神戸を代表するホテルとして知られてきた旧オリエンタルホテル。1995(平成7)年の阪神・淡路大震災で被災し閉鎖されたことから、働いていたシェフらは同年7月に開業した神戸メリケンパークオリエンタルホテルへ職場を移した。
1964(昭和39)年から旧オリエンタルホテルで提供していたカレーは、旧オリエンタルホテル出身シェフの森光昭さんが神戸メリケンパークオリエンタルホテル初代総料理長として着任することで継承し、伝統の技と味を守り続けている。「ハイカラな神戸マダムが食べるカレー」から転じて「ハイカレー」と呼ばれるようになったという逸話が残る。
ソテーとフライに分けてじっくりと甘みを引き出したタマネギを「ふんだんに使う」のが神戸ハイカレーの特徴。ホテルオリジナルブレンドのスパイスを加えることで、独特な香りと風味を引き出しているという。
神戸ハイカレーは、ホテルマネージメントジャパンのホテルチェーンブランド「オリエンタルホテルズ&リゾーツ」の関東・近畿・九州・沖縄エリア5施設で提供するビュッフェの看板メニューとして用意する。
神戸メリケンパークオリエンタルホテルでは、3階のテラスレストラン「サンタモニカの風」の朝食、ランチタイム、ディナータイムに登場。営業時間は、朝食=7時~11時、ランチ=11時30分~16時、ディナー=17時~21時30分(いずれも90分制)。料金は、大人=3,500円~、シニア=3,150円~、小学生=1,815円~、幼児=1,000円。
森さんは「旧オリエンタルホテルの味が後世に受け継がれていき、多くの人に食べてもらえる機会が生まれて大変うれしい。旧オリエンタルホテルで勤務していた時代はレシピなどはなく、先輩が調理している後ろでメモを取りながら、目で見て作り方を覚えていた。味を再現する際は、昔のメモと記憶をたどりながら、何度も試行錯誤を繰り返した。神戸ハイカレーはオリジナルそのものの味を再現しているが、今後は神戸ハイカレーをベースにしながら、各地のホテルでアレンジを加え進化させていってほしい」と話す。