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神戸のベーカリー「ケルン」、初年度となる「神戸SDGs奨励賞」受賞

3月24日に神戸市役所で行われた「神戸SDGs表彰」表彰式に出席した「ケルン」3代目社長の壷井豪さん

3月24日に神戸市役所で行われた「神戸SDGs表彰」表彰式に出席した「ケルン」3代目社長の壷井豪さん

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 神戸の老舗ベーカリー「ケルン」(本社=神戸市東灘区御影中町1)が3月27日、「令和4年度 神戸SDGs表彰」の「神戸SDGs奨励賞」を受賞したと発表した。

「神戸SDGs表彰」表彰式の様子

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 神戸市が創設した「神戸SDGs表彰」は、持続可能な開発目標(以下「SDGs」)の達成による持続可能な都市を実現するため、SDGsの達成に向けて貢献した団体または個人に対し、「神戸SDGs大賞」「神戸SDGs功労賞」「神戸SDGs奨励賞」を贈呈する表彰制度。初年度となる今回は、大賞1団体、功労賞3団体、奨励賞2団体が選ばれた。

 1946(昭和21)年に御影で創業し、神戸エリアに直営店を展開する「ケルン」。「チョコッペ」「御影メロンパン」「クロワッサンベーグル」などが人気という。

 3代目社長の壷井豪さんは「地元の地域社会と密接につながりながら業務改善を積み重ね、パンに携わる人々が幸せになれる持続可能性の高いベーカリーを目指してきた」と話す。近年ではSDGsの目標達成と持続可能な社会の実現に向け、事業を通じた社会課題の解決にも取り組んでおり、2021年9月には「買い物を楽しみながら世の中に好循環を生み出す」ことを目的とした同店初のサステナブルベーカリー「日々ケルン」をオープンしたほか、食品廃棄ロスを削減する経済循環型のパンの新しい販売システム「ツナグパン」を同年12月に始めた。

 「廃棄されるパンが売れることで、環境問題や社会問題の解決に連鎖的につながるシンプルな仕組みをつくりたい」という思いから生まれた「ツナグパン」は、売れ残ったパンを客が購入することで、フードロス削減と同時に社会的弱者への支援が可能となる仕組みとなっており、今回の受賞理由となった。

 同取り組みにより、パンの廃棄量は11%から2%に減少。運用開始以来、昨年12月30日までの約1年間で累計7894袋を販売している。

 3月24日に神戸市役所で行われた表彰式に出席した壷井さんは「『ツナグパン』が奨励賞を受賞することができ、大変光栄に思っている。このことは私たちがベーカリーという生業を通して、ただパンを売るだけではなく、同時にさまざまな社会や環境の課題を解決するための努力が認められたことの証明であり、スタッフ一同喜びを感じている。受賞を励みに、今後もさらに高い目標を設定し、努力を重ねていく」と話す。

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