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神戸発古着・雑貨店「突撃洋服店」が38周年 ポップアップイベントも

「突撃洋服店」創業者でディレクターの安田美仁子さん

「突撃洋服店」創業者でディレクターの安田美仁子さん

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 神戸発の古着・雑貨店「突撃洋服店」が12月14日、創業38周年を迎えた。

「突撃洋服店」大興ビル1号店の様子

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 突撃洋服店は神戸旧居留地の近代洋風建築の保存運動が盛んだった1985(昭和60)年、1922(大正11)年建築の大興ビルの一室に1号店をオープン。デザイナー個々の世界観を形にしていたデザイナーズブランドに影響を受けて、コンセプトに「時代、ジャンル、カテゴリーに関係なく、独自の価値観で選んだ古着でモードをつくる」を掲げた。

 1989(平成元)年1月には「高砂ビル」に移転。阪神・淡路大震災が起こった1995(平成7)年、多大な被害を受けたが2月には東京・渋谷で営業を再開した。復旧後は神戸での営業を続け、2012(平成24)年9月に元町の「MISXビル」に移転。2015(平成27)年6月4日に30周年企画として芸術家の交流拠点「Gallery9」(2020年4月閉業)が入居していた神戸旧居留地の近代建築「チャータードビル」に移転した。

 新型コロナウイルスの影響もあり神戸・渋谷の実店舗は閉店したが、現在は「突撃する洋服店」として各地でポップアップショップ展開するほか、映画やドラマ、アーティストへの衣装提供など活動の幅も広い。

 商品の仕入れや店舗ディレクションを行うだけでなく古着表現作家でもある「突撃洋服店」創業者でディレクターの安田美仁子さん。2020年4月には、服やアクセサリーの写真にSNSで発信した言葉を添えて紹介する初の著書「古着は、対話する。」を刊行している。

 安田さんは「創業当時はとにかく大興ビルの雰囲気に圧倒され、自分なりにその迫力に負けない品ぞろえを心がけた。その結果、ドレスや火消しの法被、タキシードジャケットやトンビのコートといった無国籍でジャンルレスなセレクトが定着したと思う」と振り返る。「店の扉を閉め切っていたのは『初めて中を見た驚き』をお客さまにも共有したかったから。入居3年という約束だったので次の物件を探し、天井が高く広い高砂ビルに決めた。内装はパリの古いデパートのイメージも浮かんだが、歌舞伎の定式幕をアクセントにしたのは突撃らしさだと思っている」とも。

 2024年1月12日~16日には神戸旧居留地のカフェ「ニューラフレア」(神戸市中央区明石町、TEL 078-333-0808)で、安田さんが独自の審美眼でセレクトした海外買い付け商品を展示販売するポップアップイベントを行う。会場では、創業当時からの掲載誌などをスクラップしたファイルも展示する。営業時間は13時~20時(最終日は18時まで)。

 安田さんは「各地で行っているポップアップイベントは、大興ビルにあった1号店で試着するお客さまとソファで語らいながら接客していた38年前と重なる。自ら仕入れたものをちゃんとお客さまの顔を見てお渡しできるのが何より幸せ。再来年40周年を迎えるので、出会えたお客さまが主役になるような企画をしたい」と話す。

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