「日本料理とフランス料理の対比と共存」をテーマにしたシンポジウムが10月26日、神戸北野テラス(神戸市中央区神戸港地方口一里山)で開催された。
2025年に大阪・関西万博や神戸空港の国際化を控える中、神戸の「食」について改めて考える機会として実施された同イベント。同施設を運営する「グランド・メゾンホテルズアンドリゾーツ」(山本通3)が企画し、脳科学者の阪田徹博士が全体のコーディネートを担当。料理は同施設レストランの山口優貴シェフが提供し、日本酒は「白鶴酒造」が提供した。
当日は、海外からのVIPや旅行客の神戸訪問が増加すると見込まれる中、日本食や文化、神戸の食材を深く理解できるガストロノミー体験を提供する施設の不足を阪田博士が指摘。「いわば『迎賓館』が不足している」と話すとともに同施設には、「山・海・街を一望できるロケーションにあることからその役割を担うとともに神戸の魅力を発信していける」と期待をにじませた。
ガストロミー体験の実例として提供された食事では、京都の老舗料亭で修業したこともあるという山口シェフが日仏の素材と技術を生かし、バターや生クリームをなるべく使わない8品を提供。「対比と共存」のポイントや、その背景にある日仏文化について紹介し、参加者同士も意見を交換した。
同施設を運営する神戸北野ホテルグループ企画広報課の田川純子さんは「グループの資産を生かし、サービス業としてお客様を受け入れるだけでなく日本や神戸の魅力を発信する役割にも積極的に取り組んでいきたい」と話す。