アウトドアブランド「モンベル」神戸三宮店(神戸市中央区伊藤町、TEL 078-327-5455)で6月9日、トークイベント「エコツアーカフェ in 神戸」が開催された。主催はNPO法人日本エコツーリズムセンター。
ゲストは沖縄観光コンベンションビューロー大阪事務所の座安(ざやす)真弓さん。座安さんは沖縄県南部で生まれ育ち、現在は大阪で沖縄をPRする仕事に携わっている。イベントのテーマは「わした島うちなー ~さんご礁から見える沖縄の海~」で、「わした島うちなー」は沖縄の方言で「わたしたちの島沖縄」を意味しているという。
参加者は沖縄の海のイメージを絵に描き、自己紹介とともに発表し合った。石垣島や白保の海をイメージしたものや、澄んだ海水の下に広がるサンゴ礁を描いたものも。沖縄を紹介するDVDでは美しいサンゴ礁のある海と合わせて、赤土の汚染やオニヒトデの大量発生による被害なども紹介した。
座安さんは1998年の地球におけるサンゴ礁の被度は60%あったが、1999年にはエルニーニョ現象による被害で5%以下に落ち込んだことを紹介し、「温暖化による水温上昇で、サンゴ礁が白化現象や病気、成長異常を起こしている現状を知ってほしい」と話した。「世界中の半分のサンゴ礁は危機に面し、20%は死んでいる。今健全なのはわずか30%のみ。現在はサンゴ礁のモニタリングの実施を始め、日本を含む約20カ国で移植なども行われている」とも。
最後に参加者は「沖縄の海がこうなったらいいな」という理想の絵を描いた。その中で「海に鳥居を立て、ダイバーなどにさい銭をもらい、サンゴ礁の再生に役立てては」「白化したサンゴ礁ではなく、色とりどりのサンゴ礁がいつまでも見られるよう、まず現状を知ることから始めたい」などの意見が挙げられた。
座安さんは「このイベントに出ていただいたことで、皆さんはサンゴ礁を守る第一歩を踏み出した。沖縄にもたくさん遊びに来てほしい」と締めくくった。