神戸らんぷミュージアム(神戸市中央区京町、TEL 078-333-5310)で8月10日、企画展「姉妹展」が始まった。
同展は、兵庫県芦屋市在住の大野せつさんと、京都府京都市在住の長沢峯子さん姉妹による作品展。大野さんによる「和風ドールハウス」作品32点と、長沢さんによる「つる工芸」作品30点を展示する。作品製作を始めて約30年になるという2人だが、共同で作品展を開催するのは初めて。
姉の大野さんは「生まれ育った家を再現したい」という思いから、ミニチュアで京都の商店などを表現している。作品の題材は、雑誌や実際に街を歩いて見つけるという大野さんだが、作り始めた当初は材料も少なく、かまぼこ板やそうめんの箱などを使っていたという。山登りが好きだと話す妹の長沢さんは、身の回りにある植物のつるでとうろうや和風ランプを製作。主に「へくそかずら」や「くず」を使い、つるそれぞれの個性を生かし、1本のつるが立体となる楽しさや面白さを表現している。
「子育てが一段落して時間ができたころ、やってみたいことをやり始めた。自分で考えて、自分でやる。大きいことをしたいのではない。作品製作は自分の楽しみや生きがいのため」と声を合わせる2人。展示スペースには、かまどやまき、石臼、七輪などを置き、「昔の台所」を表現した大野さんの作品や、高さ1メートルを超える、つるを使った長沢さんのとうろう作品が並ぶ。「つるの質感が生きるように」(同館の伊藤正則館長)と影を作る展示方法にこだわり、和風に徹したいとすだれも使用した。
大野さんは「昭和初期の風情のある昔の町並みを作りたい。作ってみると思い描いているものと違うこともあるが、これからも製作を続けたい」、長沢さんは「つるで天井に届くような五重塔を作りたい。魅力的な京都の寺も作ってみたい」と、それぞれ抱負を語る。
開館時間は10時~17時。月曜休館。入館料は、大人=400円、小人(中学生以下)=200円。今月22日まで。