日本で最初のとんかつソースを発売したオリバーソース(神戸市中央区港島南町3)は5月23日、創業85周年を記念して1948年に同社が日本で始めて発売したとんかつソースの味を再現する「60周年復刻版とんかつソース」を発売した。
発売に至った経緯について、同社総務担当の段林洋一さんは「現在は甘口の調味料や食べ物が好まれるようになっており、それに合わせたようにソースの味も甘みを増したものが主流になっている。だが、とんかつが憧れの洋食とされていた発売当時、日本で初めてのソースはもっと酸味が強かった、60周年を機に『ソースとは何たるや』の原点に戻りたいと思った」と話す。
だが、現在では使用できない甘味料などがあり、発売当時と同じ材料を使用できない現実と直面。加えて、1995年の阪神淡路大震災で、本社社屋が全焼、工場も半壊し、その際に原材料などのレシピも燃失してしまったという。
その中で、「当時のソースを知っている従業員の舌の記憶を頼りに試行錯誤を繰り返しながら作り上げた」と段林さん。「今は香辛料も輸入しやすい時代になったが、シンプルなスパイス配合による昔懐かしい、甘酸っぱい味を大切にしたい」とも。
内容量300グラム、希望小売価格は262円。関西を中心にスーパー、小売店などで販売する。