モンベル神戸三宮店(神戸市中央区伊藤町)2階のサロンで12月3日、イラストレーター・小河原(こがわら)政男さんの作品展「ツール・ド・フランスの風景画」が始まった。
小河原さんは1972(昭和47)年生まれの千葉県木更津市出身。フリーランス・イラストレーターとして都内に「YELLOW」の屋号で、雑誌、広告などで活躍。17歳のときに司馬遼太郎の「竜馬がゆく」を読んで影響を受けたことがきっかけで、地元千葉から高知までの約600キロのサイクリングを敢行。サイクルロードレースやマウンテンバイクレースにも参戦し優勝の経験も持つ。自転車レースの最高峰である「ツール・ド・フランス」の魅力にはまり、22歳から毎年フランスに渡りキャンプ道具を装備したマウンテンバイクで追いかけ、その景色や生のレース観戦を伝える風景画を描いている。今回は2007年に開催した初個展からのセカンド・ステージとして水彩画を展開している。
会場では、今回のイベントポスターにもなっている作品「スタートの街」のほか、雑誌「ファンライド」の挿絵になった「パンターニ」、2009年に「ツール・ド・フランス」に出場した別府史之選手を描いた「別府史之・モンバントゥー」、架空の世界観でツールを描いた「東大寺のスタート」など、最新作21点を展示。期間中、ポストカードや展示イラストも販売する。
初日の3日は、ゲストに小河原さん、ツール取材14年目で神戸在住のジャーナリスト・岩佐千穂さん、インターネットラジオ局「くりらじ」のパーソナリティーを務めるBJさんを迎え、「2011年ツール・ド・フランスを振り返る」と題したトークショーを開催。会場には立ち見を含め約50人のロードレースファンが足を運んだ。
岩佐さんは「1994年学生時代のフランス旅行で初めて『ツール・ド・フランス』を観戦。小河原さんには、1996年に現地で知り合った。好きな選手は初めてツールを見たときに優勝したインディライン選手」と話す。一方「好きな選手はパンターニ」という小河原さんは「ツールに18回も行ったが、毎回感動を味わえる。若いときは選手を中心に書いていたが、最近は風景の中にサイクリストを描くことが多い。レースを走っている姿もいいが、ツールらしいヨーロッパの街並みの中でリラックスした選手の姿を描きたい」と話す。「ステージレース中の休息日にサインをもらうと丁寧に書いてくれる」との毎年観戦している小河原さんならではの情報も。
開催時間は11時~20時。入場無料。今月25日まで。