■「神戸開港150年音楽祭」について
開港150年という大きな節目に、港湾・港運に従事する兵庫県港運協会などを含む同音楽祭事務局が行政と神戸・メリケンパークを舞台に、音楽を通して神戸開港が果たした大きな役割を知ってもらおうと企画した音楽祭。総合司会は芸能リポーターの井上公造さんと、フリーアナウンサーの川田裕美さんが務める。
■音楽祭の日程
5月20日には「神戸開港150年音楽祭 前夜祭」と題して開催。17時~19時30分、神戸メリケンパーク特設会場で行う。出演者は韓国のアーティスト・MYNAMEとAKB48。
5月21日に開催する「第47回神戸まつり」には、ブラスバンド40人と出演者らがパレードに参加する。その後神戸メリケンパーク特設会場に戻り、16時~20時には「神戸開港150年音楽祭 メイン・フェスティバル」を開催。ファーストステージには鳥羽一郎さん、宇崎竜童さん、桑野信義さん、セカンドステージにはものまねタレントのコロッケさん、サードステージには川中美幸さん、松平健さん、神野美伽さんが出演する。
■無料招待
観覧希望者を募り、各日1万5000人を無料招待する同イベント。応募方法は9月下旬にオープンする同イベント公式サイトなどで発表を予定している。
■7月6日に行われた記者会見の様子
同イベントの久保昌三実行委員長は「開港150年を迎える記念すべき年を市民154万人と迎えられるのはとても意義のあること。神戸開港によって国際貿易港として世界のものや文化が神戸に入ってきた。コーヒーやビール、ケーキ、家具、ゴルフ、ジャズなどの文化が入り日本の近代化へつながった。ハイカラでエキゾチックな気風はそれによるもの」と振り返り、「日本の神戸港が6大港として認知され、それも今を受け継いでいる」とアピール。「神戸メリケンパークを舞台に世界共通言語である音楽を通じて『歌え!踊れ!光り輝く未来(あした)へ』のメッセージとともに開催する音楽祭」とイベントをPRした。
久元喜造神戸市長は「神戸港の開港は予定より遅れ、実際に開港したのは明治維新が始まった年。海外からさまざまな文化や物品が入り、神戸を拠点に全国へと流通していき、江戸時代神戸は小さな村だったが開港後港を中心に発展していった」と同港の発展の変遷を説明。「国際港湾や重工業施設があったために第二次世界大戦では空襲を受け、最も大きな損害を受けた都市とも呼ばれている」と戦中、戦後の受難に触れ、「1995年には阪神・淡路大震災で大きな被害を受けた神戸は、輝かしい歴史を持ちながらも幾度となく試練をくぐり抜けてきた都市。将来のビジョンを描くとともに神戸港を再び整備し名誉ある地位を示し続けていきたい」と力強く話した。「音楽を通じて開港150年を盛り立てたい。日本を代表するアーティストに参加いただき、大いに盛り上げてほしい」と期待を寄せる。
同祭にも出演するAKB48の峯岸みなみさんは「神戸はプライベートで来たことがあるが、夜景がきれい」と神戸の魅力について話し、「音楽祭は一流のアーティストばかりで緊張するが呼んでいただけてうれしい。とにかく元気いっぱいに、見に来ていただける方に一緒に口ずさんでもらえるようなステージにしたい」と意気込みを語った。
続いてAKB48の山田菜々美さんも「兵庫県出身なので、神戸には両親とご飯を食べに来たり買い物にもよく来る」と家族とのエピソードを明かし、「みなとまつりにもチーム8として出演させていただいたことも。音楽祭にもたくさんの方に見に来ていただけたら。神戸のみそだれで食べるギョーザが大好きなのでたくさんの方に食べてほしい」と地元グルメのアピールも忘れなかった。
ものまねタレントのコロッケさんは「神戸には毎年仕事で来ているが、神戸のお客さんは盛り上げ方がうまく、こっちがどんどん乗ってしまう」と神戸市民の温かさに触れ、「震災の時には桑名正博さんに声を掛けられて神戸港や市内の仮設住宅でものまねをした。皆さんの頑張った姿を見せていただいた思い出が強く残っている。あれから月日はたっているが皆さんの姿が忘れられない」と震災後支援活動に訪れた際の自身の思いを振り返る場面も。「当日は自分の与えられている時間の中で一人でも多くものまねをやりたい。今オープニングは誰がいいか考えているところ」とパフォーマンスに懸ける思いを語った。
俳優で歌手の松平健さんは「『暴れん坊将軍』の撮影をしているときはずっと京都だったので、合間に神戸にもよく来ていた。ファッションや京都とはまた違う食べ物、特に牛肉が好き」と「神戸愛」をアピール。「音楽祭のテーマ『歌え!踊れ!光り輝く未来(あした)へ』の通り、歌って踊って輝きたい」とパフォーマンスを楽しみにしている様子だった。
歌手の川中美幸さんは「松平さんとのデュエット曲もリリースしているので、当日は一緒に歌いたい」と話し、峯岸みなみさんに「AKBともコラボを、ぜひセンターで」と話を振られ、「AKBは私の場合『あー、きれいな、ばーさん』になっちゃう」と笑いを誘った。「神戸はいい歌が生まれる場所。港や海のイメージが強いが、昭和23年晴天の時に六甲山脈を見てそこから名曲『青い山脈』が生まれた」というエピソードも披露した。
開港150年を前に神戸港エリアのホテルや商業施設などでは、企画商品の発売や新店オープン、イベントの企画などが進み、「開港150年記念」という言葉を聞かない日はないほど盛り上がりを見せている。スターバックスコーヒーの新店舗オープンや大月真珠が「神戸開港150年記念タックピンブローチ」を発売するなど人気チェーンや大手企業の出店・企画も目立つ。長い歴史を持ちながら、進化する神戸港エリアに今後も注目していきたい。