エルビス・プレスリーの38回忌・生誕80年となる8月16日夜、神戸ハーバーランドのエルビス・プレスリー像前(神戸市中央区東川崎町1)で「ペンライト ヴィジル-ELVIS Memorial Night」が開催された。
プレスリー像は、2009年1月18日に惜しまれながらも閉店した東京・原宿の複合ショップ「ロックンロール・ミュージアム」のシンボルだったもの。日本におけるジャズ発祥の地でもある神戸が移設候補地として挙がり、同年8月7日に神戸ハーバーランドガス燈(とう)通り沿いの「カルメニ」前に移設された。以後、多くのファンが集う「エルビスの聖地」となっている。世界でエルビスの銅像があるのは、米テネシー州メンフィス、ハワイ、神戸の3カ所のみ。
1978年から毎年、プレスリーさんの命日は米テネシー州メンフィスにファンが集まり、ろうそくを手に墓前まで歩く「キャンドルライト・ヴィジル」を開催。神戸ではエルヴィスウィーク推進委員会が主催し、同イベントが2011年に始まった。
当日はあいにくの雨にもかかわらず、各地から約100人が参加。プレスリー像の前には花が手向けられ、参加者はプレスリーの楽曲「The Wonder of You(ワンダー・オブ・ユー)」に合わせてペンライトを振り、故人をしのぶとともに世界平和と安全を願った。
この日はさまざまなメモリアルイベントも開催。商業施設「カルメニ」前では、ロカビリー&ロックンロールバンドの生演奏に合わせて、リーゼントのロックンローラーたちがダンスを披露。同施設地下1階のライブ&レストラン「Mosrite cafe(モズライトカフェ)」では、「エルヴィスメモリアルトーク&ライブ」を行い、プレスリー像神戸移設の立役者でもある作詞家で音楽評論家の湯川れい子さん(同委員会代表)によるトークショーをはじめ、マイケルダンスパフォーマーMasakiさんによるダンスライブ、日本で大ヒットしたプレスリー主演映画「G.I.ブルース(1960年)」の上映などが行われた。
湯川さんは「プレスリー像は、世界に3体しかない貴重なもの。海外から来た方はこの銅像の前で足を止めて写真を撮られるが、日本の方は誰の銅像か分からず素通りしてしまう。ぜひ歴史を勉強する機会にでも、エルビスが世界に何を発信して、何を残したかを若い方に伝えていってほしい」と話す。「あと20年でエルビス生誕100年。その時まで、ここに銅像があるように、そして日本が平和であるように、みんなが楽しくロックンロールを踊って一緒に生誕100年を迎えられるよう、皆さん一人ひとりの心の中に音楽の基本となるメッセージ『さあみんな、楽しく生きようぜ』を持ち続けていただければ」とも。