神戸市立青少年科学館(神戸市中央区港島中町7、TEL 078-302-5177)で7月22日、部分日食を観測するイベントが開催された。
当日は、7時30分ごろから来館者が並び始めた。同館では先着300組に「簡易太陽メガネ」を配布し、10時30分にはすべての配布を終了した。夏休み中ということもあり小学生以下の子連れでの参加者の姿が多く見られた。
神戸はあいにくの空模様で、観測が始まるまでは正確な太陽の位置さえ確認できない曇り空。参加者は同館内の天体観測室や屋上で「簡易太陽メガネ」や各自が用意した観測用のメガネを使用して観測したが、雲が厚くなかなか観測できない状態が続いた。太陽が欠け始める9時46分を大幅に過ぎた10時30分ごろ、ようやく雲のすき間から見え隠れする一瞬をとらえては「見えた!」「欠けてる!」という声が上がり始める。神戸で最も食が大きくなる11時4分ごろには、参加者や同館スタッフから大きな歓声が上がり、部分日食がくっきりと観測できる状態になった。
今回の部分日食では最大で太陽の約80%が欠けた。三日月のように欠けた太陽を見て月と勘違いする子どもも多く、両親と訪れていた小学生女児は「お月さましか見えない。太陽はどこに行ったの?」と母親に尋ね、周囲の笑いを誘う一幕も。ほかにも小学生男児からは「いつも見ている太陽なのに、太陽じゃないみたい。見られたのはうれしいけど、何だか怖い」という声も聞かれた。
同館内プラネタリウムでは国立天文台が配信する超高速インターネット衛星「きずな」の映像伝送実験を中継。神戸では見られなかった皆既日食の中継では、皆既日食の瞬間に歓声が上がり最後には拍手が起こった。